齋藤ゆかりのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレファシズム体制下のイタリアでは、貧しい農民たちは少しずつ、生きていくための手段を奪われていた。法律や制度といった正当そうに見える仕組みで、水を使う権利、小麦を売る自由、働く条件、抗議する権利までが次々と制限され、農民たちは飢えに追い込まれていく。この物語を書いたシローネ自身も、ファシズムによる弾圧と農民の苦しみを実際に経験した人物であり、現実に起きていた出来事をもとにしている。ファシスト側にとって農民は、守るべき市民ではなく管理される存在だった。生き延びられるかどうかは重要ではなく、従うか消えていくかが問題にされていたのである。農民が飢え、生活が成り立たなくなっても、それは統治の失敗ではなく、