興膳宏のレビュー一覧

  • 陶淵明

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    陶淵明
    講談社学術文庫 2845
    著:興膳 宏
    出版社:講談社

    百頁ちょっとの本書は、陶淵明の特長を良く表しています

     ・帰去来、いざ帰りなん、どうも、宮仕えは苦手のようで、妹の葬儀に出るためとの名目も職を辞している
      どうも、年下の上官に頭を下げるだけの我慢ができなかったようです。

     ・酒が大好きでたくさんの酒の詩をつくっています。
      しかも、みずからの断酒の詩も詠んだのだが、やめることはできなかったようです

     ・不思議な世界を夢見る心、これを本書ではファンタスティックと呼んでいます。
      桃源郷、そして、古代の地誌である山海経を読んで、未知の世界の憧れを詩に託しています

     ・老荘の思想へ傾倒、「時に及んで当に勉励すべし、歳月は人を待たず」は、人とははかないものであるからこそ、人生を存分にたのしめという心を、雑詩にこめている。

    そして、本書は、挽歌の詩、三首で締めくくっています。

     自分の死を、客観的な目で見て、死の世界をリアルに表している。
     そこには、酒をのんでも、死の恐怖からは一時しか逃れられないともある。
     ただし、死後の後悔の言として、生きていた時に、心ゆく酒をのめなかったことが、
     ただ、悔しいことだともあり。
      

    目次
    第1章 帰ってきた陶淵明
     帰去来の辞 
     園田の居に帰る 其の一
      其の二
      其の五 
     酒を飲む 其の一
      其の四
      其の五
      其の七
      其の九
      其の十四 
     郭主簿に和す 二首 其の一 
     子を責む

    第2章 ファンタスティックな陶淵明
     五柳先生の伝 
     桃花源の詩并びに記 
     酒を止む 
     山海経を読む 其の一
      其の二
      其の五
      其の九
      其の十

    第3章 死を見つめる陶淵明
     雑詩 其の一
      其の二
      其の五
      其の六
     形影神并びに序 
      形 影に贈る
      影 形に答う
      神の釈 
     挽歌の詩 三首 其の一
      其の二
      其の三

    陶淵明年譜

    ISBN:9784065376492
    出版社:講談社
    判型:文庫
    ページ数:112ページ
    定価:780円(本体)
    2024年12月10日第1刷発行

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    2025年05月12日
  • 精選訳注 文選

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    精選訳注 文選
    著:興膳 宏
    著:川合 康三
    出版社:講談社
    講談社学術文庫 2787

    文選とは、唐に先立つ、南北朝時代、梁の昭明太子の編による。
    長編の詩である「賦」、長めの「詩」、そして「書」。対象は文章全般である。

    無学の劉邦や、勉強嫌いの項羽の詩は短いがそれ以外のものは長編が多い

    後の七言律詩や、五言絶句はみられない。詩の集約化はさらに時代を下らなければならない

    万葉の長歌、短歌から、俳句へくだるのと似ていると感じていた

    本書は、文選の精選として、10%程度の秀歌を収録しているもの

    劉邦の大風歌、武帝の秋風の辞、曹操、曹丕、曹植、阮籍の詠懐歌がわかりやすい

    諸葛亮孔明が、劉備玄徳の子に諭した、出師の表などがのっている。

    司馬遷の報任少卿書も、文選にはあるが、本書からは、除かれている

    日本では、文選は、有名な漢詩のテキストであり、枕草子や、徒然草にも引用があり、江戸時代には、太田南畝が、庶民に広く伝えたものである。

    文選は、詩経や、楚辞に続く、漢詩のアンソロジー(選集)であり、唐詩選、三体詩などの唐代の巨大な、漢詩の山脈がそのあとにつづいている。

    目次

    序
    総説
    文選の序

    賦

    登楼の賦
    洛神の賦
    蕪城の賦
    恨みの賦

    詩

    大風歌
    秋風の辞
    蘇武に与う 三首(うち一首)
    怨歌行
    飲馬長城窟行
    古詩十九首(うち五首)
    短歌行
    七哀詩 二首
    従弟に贈る 三首(うち一首)
    雑詩 二首(うち一首)
    公讌
    応氏を送る 二首(うち一首)
    美女篇
    雑詩 六首(うち一首)
    詠懐詩 十七首(うち二首)
    悼亡詩 三首
    詠史 八首(うち三首)
    洛に赴く道中の作 二首(うち一首)
    雑詩 十首(うち一首)
    五君詠(うち一首)
    池上の楼に登る
    石壁の精舎より湖中に還りて作る
    江中の孤嶼に登る
    詠史
    東武吟
    宣城に之かんとして新林浦を出で版橋に向かう
    雑体詩 三十首(うち二首)
    范安成に別るる詩

    文章

    出師の表
    呉質に与うる書
    典論論文
    山巨源に与えて交わりを絶つ書
    情事を陳ぶる表
    北山移文

    ISBN:9784065332313
    出版社:講談社
    判型:文庫
    ページ数:500ページ
    定価:1520円(本体)
    発売日:2023年10月10日

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    2025年04月09日