川本隆史のレビュー一覧

  • 〈共生〉から考える 倫理学集中講義

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    神保町で背表紙に目が止まり、すぐに購入した1冊。読み易かった。『共生』についてこれまで語られてきたことについて、倫理を支柱としながら概観できるような本だった。

    『孤独』『ケア』『教育』『臨床』『エコロジー』と『共生』をテーマに、7日間に渡る集中講義形式で展開された。
    相談支援の専門職という仕事柄ピンとくることもあれば、ハッとさせられることも、息を呑むようなこともあった。

    この本を読んでいたら、先日仕事で一緒になった市役所の福祉担当が言ってたことが蘇った。
    『部署内では自己責任論が渦巻いているんです』

    誤解を含んだ大掴みの『平等』や『公平』の帰結として、自己責任論に至る構図は、これまでも何

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    2024年05月10日
  • 〈共生〉から考える 倫理学集中講義

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    <共生>から考える 倫理学集中講義
    川本隆史

    7日間の集中講義を収録したもの。講義らしく、本の紹介をメインとしており、読書案内的な位置づけで読むのも良い。
    共生について「調和や一体性の幻想が崩壊し隠ぺい抑圧されていた対立が噴出する状況のもとで、新たな共存の枠組みを模索する問題意識が根底にあり」「現代的意味での共生は自他が融合する共同体への回帰願望ではなく、他者たる存在との対立緊張を引き受けつつ、そこから豊かな関係性を創出しようとする営為」である、という引用文からスタートする本書では、まさにこちらの文章の通り、共生という言葉、概念を、所与や馴れ合い的な、もっと言えば通念的な仲よくしようという枠

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    2023年01月03日
  • 〈共生〉から考える 倫理学集中講義

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    ネタバレ

    7日の講義として多くの領域について共生というテーマで説明をしている。推薦本を見ると他書でも紹介された本が多い。サクッとよめるので学部学生にもおすすめである。

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    2025年01月10日
  • 〈共生〉から考える 倫理学集中講義

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    ギリガンの訳書から著者にたどり着き一読した。「共生」という言葉の両義性(多義性)から、その意味について考察し、そして「共生」の軸となり、発生を促す「孤独」に着目し、「ケアの倫理」に議論は移る。その後は「教育」「倫理」「エコロジー」における「共生」について述べる。最後に著者の読み方を読んで、著者の書き方について理解が出来たが、「キー・センテンス」を上げて、それについての論考を深める手法であるが、並行して文章を並べていくので、難解な部分も多い。章末と巻末には読むべきブックガイドがつく。勉強を続けるにはガイドブック的な働きを持ち、役に立つ。

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    2023年03月02日