アレキサンドラアンドリューズのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
久々に、文句なしに面白い海外ミステリでした。
海外ミステリのボトルネックは、訳者の技量で作品の良し悪しが左右されてしまうところにあります。
本書の訳者である大谷瑠璃子さんはとても良い翻訳者だと思いました。
読書中、翻訳書であることを忘れてしまうぐらいに、こなれた日本語に翻訳がなされています。
それから、海外ミステリに付きものの「登場人物の名前の煩雑さ」が、本書にはありません。
海外ミステリといえば、ファーストネームとファミリーネームが、会話の中や地の文で規則性も無しに散らかってることが多いです。地の文でずっとファーストネームで呼んでたのに突然ファミリーネームで呼ばれることもあり、「あれ?誰だ -
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Posted by ブクログ
人気作を抱えながらも匿名作家を貫きたい小説家のもとへ、有名になりたい欲望を溜め込んでいる小説家志望の女性がアシスタントとして小説家のもとへ訪れる。
この二人の「名前を隠したい」「名前を知らしめたい」主張がせめぎ合いぶつかりあって、中盤すぎからはかなりアグレッシブかつダイナミックにぶつかりあっていく物語でした。
実は丹念に散りばめられていた伏線や、真実へ徐々に至っていく過程はとても丁寧に描かれている、間違いなく正当派なミステリではあるのですが、いろいろかなぐり捨て出した二人のありようは、確かに映画化したら映えるだろうな…と思えました。
この邦題も、原題「WHO IS MAUD DIXON」 -
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Posted by ブクログ
ネタバレフローレンスは自分には才能があると思っている。
誰よりも。
いつかは売れっ子作家になれると信じている。
しかし、現状は出版社に務めるしがない会社員。
その会社の部長と不倫し、出来心から軽く脅したら簡単にクビにされた。
そんな状況で舞い込んできた超有名な匿名作家・ヘレンのアシスタントの仕事。
フローレンスは人生のすべてを掛ける。
取材旅行と称して二人で出かけたモロッコ旅行で、車ごと海に突っ込み、ヘレンは行方不明となり、フローレンスだけ助かる。
フローレンスはヘレンになりすまし、匿名作家であるモード・ディクソンは引き継ごうとするが。。
「太陽がいっぱい」を思わせるなりすましミステリーだが、 -