林原耕三のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
久し振りに漱石関係、しかも漱石山房関係者の本を読む。著者、林原耕三という名前は知らなかった。著者によると、明治40年から大正5年先生(漱石)が亡くなられた時まで、10年間漱石山房に出入りしたとのことである。
漱石との関係は、漱石からもらった手紙に良く現れている。漱石は著者の学生時代の保証人にもなっていたようで、漱石は著者の学費等の金銭的な心配や奨学金の給付にも手を尽くしていた。師漱石に対する著者の敬愛の念は深い。
それだけに、漱石を巡っての鏡子夫人との確執や、兄弟子、先輩同輩との関係にも難しいものがある。漱石全集の校正に関するイザコザを読むと、それぞれの言い分があるのだろうが、著者のあま