宮本弘曉のレビュー一覧
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世界経済を取り巻く3つのメガトレンドの変化(①人口構造の変化②地球温暖化対策によるグリーン化③テクノロジーの進化)を日本がいろいろな分野でどう捉え、どうすれば経済再生に結びつけられるかについて解説する。
日本は、世界で最も高齢化が進み、経済や雇用のシステムは旧態依然、労働市場も硬直的なままで課題が山積している。
本書はメガトレンドが影響を及ぼす7つの分野(経済成長、財政、医療・健康、農業・食料、教育、エネルギー、地方・住宅問題)ごとに日本の現状と課題、対処のしかたを論じている。
どちらかというと、現状を憂えるスタンスから書かれており、大風呂敷を広げ大胆な提案をする内容ではない。また、論点は新聞 -
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物価や賃金、インフレ、デフレ、スタグフレーション、労働生産性、経済をとりまくさまざまな用語くらいは知っているが、明確に説明できるかというと、うわっつらの説明暗いが精いっぱいだろう。それらをつなげてストーリー的に解説してくれていて、わかりやすかった。
日本の生産性の低さについては、問われているところ。
でも日本って、電車は世界でも珍しいくらい正確に運行されているし、いろいろ優れた面はある。なのに、そこまで否定される?という疑問に対して、高いサービスに対して、高い代価を求めることを怠ってきた、と指摘する。
実際、日本の業務のサービスについて、もう少し高い代価を支払ってもいいというアン -
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最近買い物していると、思いもよらないものが値上げしていたり、飲み物の缶やペットボトルがやけに小さくなったなと、物価上昇を肌で感じることが多い。そう言えば自分の給料明細の金額は全く変わっていないし、業績に応じて支給される一時金の額は、入社当時と比べると寸志の様に感じる。長く在籍する社員同士でむかしを懐かしみ、賞与額がまるで入社時の金額に戻ったね、と内心大きな落胆を感じながらも笑いながら話している中堅社員は多い。
本書は日本社会を指して頻繁に言われるバブル後の「失われた30年」について、諸外国との差を明らかにし、かつこれからの日本がどうあるべきかを数字を中心に解説・課題提起していく。
戦後成長著し -
Posted by ブクログ
「一人負け」の日本経済の原因は、日本の”未熟な資本主義”にあるとする筆者の、提言の書。
競争的な市場環境を整備し、企業は高付加価値を創造せよ。
そして、労働市場の徹底的な流動化を進めれば、経済全体の生産性が向上する、といったのが論旨だろうか。
日本はこの30年、物価も上がらなかったが、賃金も上がらず、日本円の実力は30年前のレベルに戻った。
こんなことが、データをもとに解説されていく。
例えば、賃金についての章では、「賃金版フィリップス曲線の推定」という手法で、賃金に影響を与えるとされる四つのファクターの影響の強さを分析している。
この分野に知識がない自分には幾分つらいところだが、労働市場 -
Posted by ブクログ
ネタバレ競争不足=経済環境のぬるま湯化。
労働生産性を高める。
物価の動きは、CPI、CGPI(企業物価指数)、GDPデフレーターなどで見る。
新型コロナとウクライナ危機でデフレ経済から脱却した。さらにグリーンフレーションで物価が上昇。
ビッグマック指数=『エコノミスト』が年2回発表している。
為替レートは、原因ではなく結果。
日本は実質賃金と名目賃金は差がない。賃金を決める要素は労働需給、生産性、雇用者の構成、インフレ率。
賃金版フィリップ曲線=賃金成長率と失業率の関係。=ほぼフラット化している=労働需給では賃金は変わらない。非正規労働が増えると平均賃金は上がらない。インフレになると賃金は上がりやす