マーク・ロビンソンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
医療、年金、気候変動…。コロナ禍への緊急対応に加え、長年、支出拡大の圧力が政府を苦しめている。国家財政は今後、どうなるのか?先進国政府が直面する課題を読み解く書籍。
新型コロナ禍とそれによる経済危機は、先進国の政府支出を大きく膨れ上がらせた。大半の先進国では、コロナ禍前の債務が未曾有の水準にあったため、政府支出の大幅増をコロナ禍後も恒久化すれば危機を迎える。平常な状態が戻れば、支出減による債務の縮小に注力すべきである。
一方、長期的にみると、政府支出はこれからも大きく増える可能性がある。その要因は、例えば次のようなものだ。
・医療:慢性疾患の有病率の増加、高額な治療法の開発、医薬品への支出増などで医療支出が増加する。
・高齢化:人口高齢化により、介護と年金の支出が増える。
・地球温暖化対策:「気候投資への出資」など、気候変動に対処するための支出が増加する。
政府支出が増大しそうな分野には、所得補助もある。例えば、貧困の拡大を危惧し、「ベーシックインカム」(政府がすべての人に無条件で支給する定額所得)の導入を求める人々がいる。だが、この制度は、貧困層に不利益をもたらす。既存の福祉給付の方が、ベーシックインカムの給付よりも高いからだ。
多くの政府は、長年にわたって支出を切り詰めており、削減の余地は少ない。よって、巨額の支出増の財源を継続的に確保するには、納税者の大多数に大幅な増税をする必要がある。
増税と支出削減を避けるために財政赤字を認めると、いずれは債務危機やインフレの加速、経済危機をもたらす。新型コロナ禍で、このリスクは大幅に高まった。