工藤顕太のレビュー一覧

  • ラカンと哲学者たち

    Posted by ブクログ

    面白い本だった。
    ラカンが中心にいるのは間違いないけど、ラカン自体はそれこそ分析家として聞き役に徹していて、主体は召喚されてくる哲学者達という感じの構成。
    プラトンの饗宴を読む3章が特に好きで、自分が一度読んだ時は各人の演説内容に気を取られてしまっていたけど、ラカンの読みを通すと、アリストファネスのくしゃみとか、パイドロスやパウサニアスが普遍的な愛を語るようでいて、今自分が投じているこの愛の擁護をしているとか、演説内容以外のレイヤーもかなり緻密に構成されていたことがわかって面白かった。
    ソクラテス=ディオティマの演説の後に、アルキビアデスの乱入が加えられることの必然性も何となくわかった。ソクラ

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    2025年09月28日