てっきりデザインのハウツー本と思って読み始めたが、自己啓発や哲学書(サブタイトル通りだが)に近かった。わたしもデザインにも関わる仕事をしているので刺さった。
■ 創造的な職業で大切な「個性とは?」「自分がやる意義とは?」へのひとつの答え
・「かわいいと、変と、新しいをまぜると、れもんになる。」これは、デザイン会社れもんらいふのキャッチコピーである。会社立ち上げ当初、「個性とは何か?」と悩んできた僕のやり方を明確に表した言葉だ。
・自分の個性とは、「その人が今日まで歩んできた日々」。子どもの頃に読んだマンガ、親に連れて行ってもらった場所、一昨日観た映画、今朝見た景色……そのときに印象に残っているモノ、人、感情。
・マーク・ジェイコブスが言っていた言葉が心に刺さっている。「いま、自分がいいと思っているものを提案しなくてどうする?歴史やコンセプトにとらわれて、いまの自分の気分を提案できなかったら、自分がやる意味がない」
➔その上で行動が必要
・僕が「やりたい」と声を上げなければ、気づいてもらえない。そのためには、企画書を作る必要がある。人生は、この、プレゼンテーションの企画書を作ることの連続なのだ。
■ 個性を確立することが大切
・これから先は技術だけでは食べていくことができなくなるだろう。デザインの技術の優劣よりも、「考え方をしっかりと持っている人」に仕事は集まる。
・トータル的な人間力。その人がどのようなキャラクターの持ち主で、どういうおもしろい話ができて、どういう知識や経験があって、人を惹きつける力があるのか。この先、大事になってくるのはそのような力だ。
■ 自信喪失のときに思い出したい言葉たち
・勝てないおかげで、ここまでくることができた。勝てないコンプレックスで、たたかわないことで自分を保った。「たたかうと負ける」。それが、僕の中にずっとあるコンプレックス。人と違うことをする。自分の山を見つける。AかBかではなく、Cを探す。そのおかげで、視野が広がった。
・プロセスは自由。そう考えれば、覚悟は生まれる。覚悟するために必要なことは、ゴールへのプライド。日々の中で馬鹿にされたりすることもあるだろう。焦ることもあるだろう。それに対して予防線を張って生きるより、馬鹿にされたことを覆すほど「やり遂げるのだ」という思いが大切だ。
■ 子供のころ苦労されていたことを知ると、意味深く響く言葉たち。
・思えば人生は、生きてく上で助けてくれる人に出会う旅なのかもしれない。
・思えば、母が一家心中も考えていた頃、占い師が言った「必ずこの子が家族をひとつにする日が来る」という言葉は、今日のためにあったのかもしれない。
➔生活難なのに高額の占いを受けるなんて、と一見思われる件なのだが、この占いのおかげで一家心中を思いとどまったのかもしれない。自分の中の偏見にハッとした。