トマ・ポルシェのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
新自由主義の経済学は、巨大なウソの体系だ。現在「主流派」の経済学者が“常識”とする思想を、フランスの「怒れる経済学者」が徹底検証する書籍。
経済学は、客観的事実を実験と分析で立証する“科学”ではない。同じ状況を分析しても、立場や関心によって解釈の違いが生じる。
経済には、いくつもの選択肢や未来がありうる。従って、政治家が「他に選択肢はない」と言い、絶対的真実として示す事柄でも再検討し、代案を要求すべきだ。そして「それが誰に利益をもたらすか?」を絶えず自問しなければならない。
新自由主義の経済学者らは、「労働市場を柔軟にした国は繁栄を維持している」と主張する。
だが現実には、大企業が利益を増やす一方、失業は減らず、貧困層の境遇は改善されていない。労働市場の柔軟性と失業の程度との間につながりはない。
政治家は、公的債務の脅威を緊縮政策の根拠として強調する。
しかし、資産を考慮に入れず、債務だけを問題にするのは愚かである。また、国の債務を家計の借金にたとえるのは馬鹿げている。人は死ぬが、国は死なないからだ。
地球温暖化への効果的な取り組みは、再生可能エネルギーの開発など、国による意欲的な介入政策だ。だが、助成金など、活動を促すだけの措置にとどまっている。それは温暖化対策に正面から取り組むと、大企業や銀行の利益を損なうからだ。
成功者の伝記などは、成功の原因を起業家精神など、個人の資質だとする。
しかし、実際には、個人の成功は、国の政策や制度などに左右される。公的な研究と投資―起業家たちが嫌悪する税金で、彼らの繁栄は支えられているのである。