柴宜弘のレビュー一覧

  • ユーゴスラヴィア現代史 新版

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    学生時代に20回は読んだであろう本書、新版が出るということで飛びつき、販売直後に新品を購入し、元柴ゼミの先生方が主催するオンライン読書会(講演会に近い)に参加した。お世話になった教授とも再会でき、貴重な会だった。本の内容としては、やはりボスニア紛争以降が盛り込まれており、他書で補完するしかなかったコソヴォ紛争やマケドニア紛争についての記述が充実した。まさにユーゴ現代史の決定版といえる。

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    2023年01月01日
  • ユーゴスラヴィア現代史 新版

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    およそ19世紀頃からの旧ユーゴスラヴィア地域の歴史について、コンパクトにまとめられた新書です。
    1996年の旧版から25年の時を経て新版として刊行されています。
    旧ユーゴスラヴィア地域の複雑な近現代の歴史を改めて復習できたとともに、現時点で理解できていない点やもっと知りたいことも明確になりました。

    客観的な記述ながらも、どこか文章の端々に、著者の柴先生の、旧ユーゴの地域や人々への愛や未来への希望が込められているのが感じられるのも良いです。
    新書という形態の制約からだと思いますが、参考文献リスト(特に、本文中に言及のある具体的な研究の出典の記載が無いこと)や索引が無いのが唯一残念な点でした。

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    2021年11月04日
  • ユーゴスラヴィア現代史 新版

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    19世紀の末頃から現在までの西バルカンの歴史。ナショナリズムという新しい考えが世界にどんな影響を与えたのか、人々の生活がどう変わったのか悪い面が知れた気がする。長い間おおきな問題もなく同じ土地で暮らせていたのが、どうしてそうなるのかもどかしい気持ちにもなった。暴力の描写がないのでまだ落ち着いて読めたのかも知れない。

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    2025年03月24日
  • ユーゴスラヴィア現代史 新版

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    旧ユーゴスラヴィアの事を全く知らなかったのが、ほとんど知らないくらいになれたかもしれない。もう少し勉強してからまた読んでみたい

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    2023年03月27日
  • ユーゴスラヴィア現代史 新版

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    一人旅の際にコソボのプリズレンとプリシュティナを訪問した。私は街の人々のあたたかさに強く惹かれるとともにこの人たちの辿ってきた歴史を知りたくなった。
     はじめはユーゴ全体ではなくコソボに関する歴史が知りたかったのだがコソボやコソボ紛争に関しては一般人の私が読めるような資料がとても少なく、結果的に辿り着いたのが本書であった。
     本書を読むにつれ、まず当初私がコソボを単体で理解しようとしていたことが大きな間違いであったことを理解した。コソボを含めた旧ユーゴスラビア地域の国々は旧ユーゴスラビア以前の歴史から理解する必要があったようだ。
     本書を読んでいるともし自分がユーゴに生まれていたらということに

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    2023年06月01日
  • ユーゴスラヴィア現代史 新版

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    現代史というよりは近代史からの流れで、なんとなく説明されてきたセルビア悪というような形ではなく、事実を多面的に公平に説明されている点が非常に分かり易く且つ気持ち良く読め良かったです。それにしても非常に複雑な問題、、、
    刊行をまえに亡くなられた柴先生残念です。この地域の今後には是非注目したいです。

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    2022年07月25日
  • ユーゴスラヴィア現代史 新版

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    クロアチアでも純粋なクロアチア人を求めてセルビア人の虐殺が行われた。収容所も作られた。チトーはソ連から独立性を保った共産主義を実現したが、死後は再び内乱となった。

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    2022年01月02日
  • ユーゴスラヴィア現代史 新版

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    巷に流布するセルビア悪玉説とも歴史修正主義とも距離をおき、正確に起こったことの事実とそのメカニズムを分析しようという姿勢に、学者としての矜持を感じた。複雑なユーゴスラビア史が平易にまとまっているだけではなく、学問への姿勢や意義といったものまで伝わってくる稀有な傑作新書だと思う

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    2021年10月18日
  • ユーゴスラヴィア現代史 新版

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     本書初版が刊行されたのは1996年5月、それから四半世紀が過ぎ、新版が出された。
     元版が刊行された時期は、ユーゴが分解し内戦が繰り広げられ、NATOの空爆が実施されるなどして何とか収束に向かっていたころで、ニュース報道がかなりされていたのは知っていたが、正直その頃はあまり関心がなかった。
     
     本書を読もうと思ったのは、最近読んだA.J.P.テイラーの『ハプスブルク帝国 1809-1918』がきっかけである。その中で、オーストリアとハンガリー、そしてボヘミアの関係は大体理解できたのだが、セルビア、クロアチア等のバルカン諸国との関係、またそれら諸国間の関係が良く分からなかったので、その辺りの

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    2021年09月05日
  • ユーゴスラヴィア現代史 新版

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    旧版から25年を経ての新版。
    旧版当時、本書のほかに、千田善「ユーゴ紛争ー多民族・モザイク国家の悲劇」という新書も出ていた。
    千田の「ユーゴ紛争」が当時進行中だったユーゴ紛争の今をジャーナリスティックに描き出したのに対して、本書はより巨視的かつ歴史的な視点で南スラブの状況を解説。
    アプローチはかなり異なりつつ相互に補完しあう内容で、このふたつでユーゴの知識を得た人も多かったんじゃないと思う。
    (ちなみにこの千田善氏、オシム監督の通訳やってた人で、吉田戦車の従兄弟らしい)

    旧版はボスニア紛争の和平合意が成立したくらいで、まだ南スラブの趨勢が不透明のままの状況だった。新版では、旧版後に起きたコソ

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    2021年09月11日