秋津朗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレリセットするのは男の専売特許のように思って読んでいたけど、実は他にもリセットしてる人たちがいてゾワッとした。でも戸籍や経歴を買えるサイトがあるから他にもリセットする人がいてもおかしくないかと納得してしまった。
ゲームみたいに簡単にリセットしようという思考が怖い。もっとも殺人は簡単なことでは無いんだけどなんの躊躇いもなく、「リセットしよ(グサッ)」だから怖い怖い。
整形しても戸籍や経歴を変えても、誰だか分かる人には分かったり、顔を知らなくて名前が違う2人を同一人物だと特定できてしまうところが、デジタルでは変えられない評価することができない人間味やその人らしさという事なんだろうなと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ還暦を過ぎてから作家デビューした方らしく、沼田まほかるの上を行く。何事も始めるのに遅すぎることはないんだなぁ。
誰もが見惚れてしまうようなイケメンのシリアルキラー。何度も名前を変え、顔を少しいじっては猟奇殺人を繰り返す彼が現在の勤務先から姿を消す中盤以降、いきなりハードボイルドの様相を呈してきます。彼の気持ちは想像するしかなくて、最後はちょっと物足りなくもあり。
何もかもデジタルで評価しておいて、取引先との関係には忖度せよというのは理不尽なような。そこだけは彼にちょっと同情。5回アウトで抹消されるなら、世界から誰もいなくなる。何でも効率化を最重要視していたら、彼のような人が生まれるかもしれ -
Posted by ブクログ
次々と名前やプロフィールを変えて他人の家庭に入り込み、そして自分の基準にそぐわないと感じた人間を躊躇なく殺害し、家族ごと関係を断ち切って新たな土地で人生をやり直すという恐ろしいリセットを繰り返す男。
個人情報などのデジタルのリセットは削除できても、アナログ、つまり他人が覚えているその人の雰囲気やシルエットなどは削除できなかったということか。
殺人鬼を追うプログラマーの譲治とどのように対峙するのかワクワクしていたが、まさかの行動で、えぇ…と動揺してしまった。
エピローグの雨のシーンで、発見されてよかったけれど、それでもモヤモヤ感が残る。
つらいなー。