課題解決に効く、次世代AI活用術
著:藤原 健真
AIは、1つの手段であり、課題解決のツールである。そのためには、解決すべき課題を見極め、適切な設計と運用をしていく必要がある。
AIは、DXを推進するための1つのツールとして位置づけられている。AIは、BIやRPAといったシステムが生成したデータを読み取ることで、判断・予測・シュミレーションといった高度なアウトプットを行う。さらに運用を継続することで、より多くのデータが蓄積されれば、AIはそれらから「学習」し、アウトプットの高速化、精緻化、正確性が増すなど、より成長し賢くなってくる。AIは自律的に学習する性質を持つがゆえに、さまざまな課題解決ができると期待を集めている。
本書の構成は以下の5章から成る。
①なぜ、AI活用は現場でうまくいかないのか?
②AIプロジェクトの効果的な進め方と成功させるポイント
③課題解決の鍵は、適切なAIを選ぶこと
④適切な手法を選択肢、ビジネスにAIを役立てる
⑤日本企業が世界で勝つためのAI戦略
AIを大局的に捉えるのみならず、現状でメジャーとなっている「ディープラーニング」だけではなく、「スパースモデリング」という「エコなAI」(省データ・省電力・省時間)を活用してのDXへの変革を提案している。
DXの意味やそもそもの運用における課題等を体系的にまとめ、所学者としてもわかりやすい構成であり、学問的な側面ではなく、運用する側への配慮が十二分にも感じられる内容となっている。
技術・仕組みよりも運用が大切であるも、DX・AIにおいては導入段階での初期での目標・目的がブレていると運用やAI自身の学習の方向性に問題があれば、有意義なデータが蓄積できず、意味を持たないことが多い。
いかに、初期段階や導入の前段階からAIを知り、そして業務の課題を理解することが大切であるかが理解できた。それを前提としての試行錯誤で正解を模索していくことが求められる。