下川哲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ★食に関する勉強はもちろんのこと、「人間らしさ」について学ぶことができた。
主に3点。
①自身のバイアスを考え直すきっかけとなったリサイクルのこと。
『食品が堆肥(たいひ)になれば、「無駄を減らした」という気になるかもしれないが、必ずしもそうとは言えない。社会全体で見ると、リサイクルしたぶんだけさらに資源を無駄使いしているかもしれない。食べる側と食料生産側がお互いのニーズをよく理解すること、他の様々な可能性も注意深く検討すること。』
単純に食品ロスを減らすことは一筋縄ではいかない。
他の書籍になるが、単純に服をリサイクルに出すことも、役立っているものもあれば、ただ途上国の自立を損なわせていた -
Posted by ブクログ
「食べる」にまつわる経済学、すなわち食料経済学の入門書。
著者の専門は農業経済学と開発経済学。
それゆえ、特に農と食の流通(市場)において、「食べる」(需要)側と「食糧生産」(供給)側とがどう結ばれるか、そして市場がどう機能し、あるいは何故時に機能不全に陥るかという点に関し、先進国だけでなく途上国の事例もふんだんに交えながら世界規模の視野で語っていく。
経済学の入門書であるが、数式を一切用いず、平易な言葉と豊富な事例をもって語られているのが特徴。
それでいて、経済学のいくつかの重要な概念(需要と供給、負の外部性、情報の非対称性、制度設計・・・などなど)に自然に触れながら、現代社会が抱える食に -
Posted by ブクログ
菜食生活をしていることもあり、健康的な食、気候変動、SDGsへの興味から手に取った一冊。
「食べる」という当たり前の行為を取り巻く様々な地球全体の課題に焦点をあてながら、データと共に分かりやすく解説されているので理解しやすかった。先進国と後進国それぞれの課題、人間の心理問題など、一筋縄にはいかない課題も多い。
でも、ひとりひとりが※「健康的で持続可能な食生活」を少しでも意識しながら過ごしていけば、未来は一歩ずつ開けてくるはず!
改めて日々の食生活を意識しようと思った。
※これからの「食べる」を考える上で特に重要になってくるのが、「食べる」による健康への影響と、「食料生産」による環境への負荷。 -
Posted by ブクログ
健康な食事、食の安全、SDGs、経済学、ナッジなどに関心が少しでもある方にはぜひ読んで頂きたい本。
食に関して、生産、消費、廃棄にいたるまでの全プロセスのこと、国内だけでなく海外も含め世界的な話題、食と人間の行動心理や市場、環境との関係、などといった様々な領域の話題を、経済学という切り口で紹介されているのが本書です。
その根底には「社会にとって望ましい食とは?」という問題意識があります。
全体を通して非常にわかりやすく、特に専門的な知識がなくてもスラスラと読むことかできます。
現在の多くの問題と、問題の解決策として現在世界で試みられている活動や研究が紹介されていきます。
消費者としての私 -
Posted by ブクログ
将来の理想の食生活の在り方として「健康的で持続可能な食生活」がある。①健康的な食生活による病気リスク低減・医療費負担の削減 ②持続可能な食生活による環境負荷の削減
どちらも大事で今後の食の未来を考える上では避けては通れない。かつ両者はEATランセット基準などの専門的な考え方がある通り、同時に達成可能である。
一方で地球規模でみると貧しい国では栄養不足に陥っている人が大勢いる。生きるか死ぬかの毎日の中、「健康」や、ましてや「環境」が二の次になることは当然である。でも、豊かな国で肥満が多い(食べ過ぎ)からといってそれを貧しい国に分配することは経済合理性から難しい。「いかに安く供給できるか」という経