徳永哲也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前半、正義論の議論や論点について、コンパクトにわかりやすくまとめられている。
この正義論への批判としてケアの議論を説明している点が分かりやすい。
ロールズ、ノージックを代表とする正義論が、ともに自立した個人を前提に議論を進めていることに対して(比較的穏当なロールズでさえ、あくまで自由で平等な個人が、格差を減らす「努力をする」という構造であり、現実社会で大きな位置づけを持つケアしケアされる相互依存している関係をうまく取り込めていない)、人間にとって自然である相互依存的(ケアしケアされる)な関係を、どう正義や倫理の一部としてとらえ社会の在り方の議論(正義の議論)に取り込めるかが課題と理解した。