徳永哲也のレビュー一覧

  • 正義とケアの現代哲学――プラグマティズムから正義論、ケア倫理へ

    Posted by ブクログ

    現代の哲学の中でのプラグマティズムの成り立ち、その流れの中での正義論。そしてロールズとノージックの正義論に言及し、それへのアンチテーゼとして出されたケア倫理についての説明と意義について、簡潔に述べられている。簡潔なために流れを知るにはいいが、深掘りはそれぞれの書にあたる必要がある。わかりやすく教科者的な書であるが、大まかな流れを知るにはいい書であった。

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    2024年10月12日
  • 正義とケアの現代哲学――プラグマティズムから正義論、ケア倫理へ

    Posted by ブクログ

    前半、正義論の議論や論点について、コンパクトにわかりやすくまとめられている。
    この正義論への批判としてケアの議論を説明している点が分かりやすい。

    ロールズ、ノージックを代表とする正義論が、ともに自立した個人を前提に議論を進めていることに対して(比較的穏当なロールズでさえ、あくまで自由で平等な個人が、格差を減らす「努力をする」という構造であり、現実社会で大きな位置づけを持つケアしケアされる相互依存している関係をうまく取り込めていない)、人間にとって自然である相互依存的(ケアしケアされる)な関係を、どう正義や倫理の一部としてとらえ社会の在り方の議論(正義の議論)に取り込めるかが課題と理解した。

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    2023年03月21日