焦桐のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
何度でも読みたい本。
台湾に行ったのは卒業旅行で、なにひとつ調べず(一応ガイドブックは買ったが)、ひとことの華語も話せず飛び込んだ。夜市にスーパー、レストラン。商店、露店、屋台…中国語の話せない、身振り手振りで拙い英語を話す、見るからに観光客な私たちに、台湾の商人の方々、ホテルのみなさん、タクシー運転手さんは笑顔で心優しく接してくれた。
特に楽しかったのが、日中に行った屋台街。お店のおばちゃんに言われるがままおすすめを注文して、出てきたのは大小の肉塊の乗ったどんぶり、(おそらく)臓物のスープ。あら汁。(今思うと、たぶん丼ものはルーローハン?)どれも驚くほど美味しくて、泣きながら友達たちと回し -
Posted by ブクログ
中華の食の華やかな多彩と深い文化を伝える『中国くいしんぼう辞典』も楽しかったが、台湾の詩人の手になるこちらは、この国の複雑な歴史と、また著者の亡き妻への想いをからめて綴られており、そこはかとなく漂う哀しみや苦みが全体を引き締め、格調すら与えているようだ。
ああしかし、調理と美味を表現する言葉の広さ豊かさ!
チマキを縛るには「まるで初恋の相手の手を握るように、柔らかく、だがしっかりとしめていく」。
豚スペアリブのスープから出汁の生姜や葱は捨て、「ただ大根だけが残って、明星が月に寄り添うように、白く清らかに姿を現すのだ」。
少食のくいしんぼというタチの悪い食い手の私ですが、こんなふうに食を表せたら -
Posted by ブクログ
現代詩と料理のレシピを融合させた詩集をだしたため美食家だと誤解されたのがきっかけで台湾の食文化を研究し始め、フィールドワークにも出かけるようになった台湾の詩人・焦桐さんの台湾の料理にまつわるエッセイ
原書となる本には160篇収録されているそうですが、この日本版には60篇選ばれていて、たくさんの台湾の食べ物が紹介されています。
知らないものがほとんど!
食材も日本にはないものが多く、丁寧に作り方や材料が紹介されているので、想像しているととても楽しくなります。
食べてみたいな〜。
著者の生い立ち、人生、家族が合間合間に食べもののエピソード共に語られ、それがまた心に響いてきます。
特に奥様への愛 -
Posted by ブクログ
詩人としても知られる著者が「『台湾の味』とはなんなのか」を考えながら魅力的な台湾料理の思い出を語るうち、記憶と味の結びつきに深く分け入っていくエッセイ集。
本書で取り上げられるのはどれも屋台や家庭の味。焦桐は自身が愛着を持つ類いの料理を「労働者階級の美食」と呼んでいる。一見粗野に見えるものにも料理人の美学が宿っていることを丁寧に説きながら、それでいて心理的ハードルは限りなく低い庶民の味を称揚する。露店の雰囲気を伝える挿画もいい味をだしている。
台湾は移民の国であり、先住民と漢民族はもちろん、オランダ・スペイン・日本の統治時代を経て混淆された食文化が「台湾の味」をなしているという。日本版まえ -
Posted by ブクログ
いまハマっちゃっているTV番組「オモウマい店」で取り上げているテーマ(?)のひとつに「店名に『味の〜』が付く店は名店が多い!」というものがあります。本著「味の台湾」も美味しい本なのでは、と期待でページを開きました。目次にある漢字だらけの60ものメニューに海外のレストランで何をオーダーしていいのか、という不安と同じ拒絶感を一緒、抱きますが一個一個は、実は食べたことがある料理、なんとなく知っている料理で、実は台湾料理って日本の味覚にも入り込んでいるのを感じました。いわゆる中華料理よりも台湾料理はヘルシーで食べやすいってこと、胃袋が思い出させてくれました。本著にも出来てますが日本統治時代の影響もある