銀行や損保勤務後、様々な地域活動に取り組んでいる著者。社会人大学院で、地域コミュニティと地域包括ケアシステムも学び、コロナ禍の今、また、災害時、人とのふれあい、助けあい、すなわち共助の大切さを訴える。
この本から学んだことを以下にメモしておく。
・同じ境遇の人、同様の生きづらさを経験した人が体験を語
...続きを読むる「ピアサポーター」の活動の輪を広げていくべし
・人から聞いたり、本で読んで得た二次情報ではなく自ら体験して得た一次情報が大切
・「平等」はみんな同じであること、「公平」は違いを認めあうこと。障害者差別解消法でいう「合理的配慮」は生きづらさを抱える
すべての人に対して必要
・「群盲象を評す」は仏典に出てくる寓話だが、近所や地域の話し合いの中でも寓話同様、一部しか見ず、全体像が見えていないことがよくある。
・田植えや屋根葺きなど、古くからの助け合い活動である「結」として、今も続く岐阜県白川郷の合掌 造りの茅葺き屋根の葺き替えは有名
・災害に備え、避難行動要支援者名 簿登録者も巻き込んだ小さな「避難行動訓練」の実施、指定避難所運営の限界を知り、自ら用意できるものを考え用意しておくことが大事
・町内会役員1年任期では新しいことはなにもできないそれを乗り越えるため、組織のあり方を考える必要がある(会長経験者が相談役として運営に参画してもらう、長期的課題を扱う委員会や専門部設置など)
・近所が社会的課題の現場近所の共助を育むことで多様性と人間性を理解して人に優しくできるようになる
いいことを書いてくれているが、現場はどろどろしており、この本のように論理的にはなかなか進まない。また、成功事例として紹介されている自治会は都会的で規模も大きい。田舎の閉鎖的で小さな集団やそもそも共助の習慣が抜けきってしまった地域、若者ばかりが入ってくる新しい団地での地域活動理解促進は、そう簡単にはいかないし、まずは複数人の有志を探すことから始めるべきか?