あらすじ
超高齢社会を生き抜く、ご近所ネットワークの可能性の選択肢とは!?
「ご近所」とは、イコール「町内会」ではなく、
すべての日本人に共通する最も身近なコミュニティ。
家庭や仕事、学校以外のコミュニティに属することで、
人生の楽しみを増やし、生き方を考え直すことにつながる。
超高齢社会の問題(老老介護、孤独死など)に向き合い、
共に生き抜く、ご近所相互扶助のパワーと今後の展望。
地域共生社会への第一歩として、「ご近所」の可能性を考える。
地域ネットワーク事業に携わる人に具体的な活動方法を教示し、手引きとなる本にする。
これから一冊をかけて、地域共生社会に向かう具体的なアプローチとなる、
ご近所起点の新しい地域ネットワーク、
つまり、ご近所の未来づくりについてお話ししていきたいと思います。
ご近所が、セーフティネット(安全網)として機能し、
私たちの日々の生活を豊かにできる。
ご近所の犯幅広い可能性(希望)の選択肢を描くことのできる本になればと思っています。
■目次
●第1章 「現状」と「ありたい姿」を共有する
・ご近所に光を当てる理由
・「ご近所づきあい格差」が広がっている
・根強く残る右肩上がりの価値観モンスター
ほか
●第2章 地域共生社会をイメージする
・後期高齢者が見ている景色
・母子家庭で育った男性がご近所の大人たちから学んだこと
・40代引きこもり男性の言葉
ほか
●第3章 ご近所の共助を「自分ごと化」する
・2030年に需要の高いスキルは学校では教えてくれない
・教育界で話題の非認知能力が育まれる
・子供から家庭へ、子供から地域へ
ほか
●第4章 変化を起こす「考え方」「心構え」に向き合う
・人づきあいは「ゆるくかるく」で大丈夫
・孤独と孤立の本質を理解する
・複数のコミュニティに属するメリット
ほか
●第5章 最大の壁「メンタルモデル」に向き合う
●第6章 日本人について考える
●第7章 行政の限界と住民主体について考える
●第8章 地域の活動に共通する難問を解決する
●第9章 ご近所の共助が日本の未来をひらく
■著者 伊藤幹夫(イトウミキオ)
1964年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
りそな銀行(旧大和銀行)、ディップ、アニコム損害保険に勤務後、2019年に起業。
2015年から2年間多摩大学大学院での学び直しと同時に地域社会にどっぷり浸かる。
現在は、多摩大学医療・介護ソリューション研究所に席を置きながら、町内会会長、
成田ニュータウン自治会連合会事務局長、自主防災組織会長、指定避難所運営委員会委員長に加え、
多くの地域支援活動に向き合っている。公益財団法人さわやか福祉財団のさわやかパートナー。
一般社団法人若草プロジェクトの賛助会員。公益財団法人丸和育志会の会員(優秀プロジェクト賞受賞者)
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Posted by ブクログ
銀行や損保勤務後、様々な地域活動に取り組んでいる著者。社会人大学院で、地域コミュニティと地域包括ケアシステムも学び、コロナ禍の今、また、災害時、人とのふれあい、助けあい、すなわち共助の大切さを訴える。
この本から学んだことを以下にメモしておく。
・同じ境遇の人、同様の生きづらさを経験した人が体験を語る「ピアサポーター」の活動の輪を広げていくべし
・人から聞いたり、本で読んで得た二次情報ではなく自ら体験して得た一次情報が大切
・「平等」はみんな同じであること、「公平」は違いを認めあうこと。障害者差別解消法でいう「合理的配慮」は生きづらさを抱える
すべての人に対して必要
・「群盲象を評す」は仏典に出てくる寓話だが、近所や地域の話し合いの中でも寓話同様、一部しか見ず、全体像が見えていないことがよくある。
・田植えや屋根葺きなど、古くからの助け合い活動である「結」として、今も続く岐阜県白川郷の合掌 造りの茅葺き屋根の葺き替えは有名
・災害に備え、避難行動要支援者名 簿登録者も巻き込んだ小さな「避難行動訓練」の実施、指定避難所運営の限界を知り、自ら用意できるものを考え用意しておくことが大事
・町内会役員1年任期では新しいことはなにもできないそれを乗り越えるため、組織のあり方を考える必要がある(会長経験者が相談役として運営に参画してもらう、長期的課題を扱う委員会や専門部設置など)
・近所が社会的課題の現場近所の共助を育むことで多様性と人間性を理解して人に優しくできるようになる
いいことを書いてくれているが、現場はどろどろしており、この本のように論理的にはなかなか進まない。また、成功事例として紹介されている自治会は都会的で規模も大きい。田舎の閉鎖的で小さな集団やそもそも共助の習慣が抜けきってしまった地域、若者ばかりが入ってくる新しい団地での地域活動理解促進は、そう簡単にはいかないし、まずは複数人の有志を探すことから始めるべきか?