天羽健介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
NFTの具体的な事例や法律・会計の論点がよくまとまっている。
さしあたってNFTの現状や実務をざっと掴むにはとても良くできていると思う。
ただし、分担執筆のため全体的な統一感はないし、筆者によって内容のレベルもかなり違う。第2章の法律・会計まわりは一定の水準が確保されていそうだが、他は質・量ともにかなりばらつきがある。明らかにポジショントーク的なものも混ざっている。
特に第3章セクション1の「成人のわずか23%しか銀行口座をもっていないフィリピンでは、スマートフォンやPCを通したこのブロックチェーンゲームが、どの政策よりも金融包摂の機能を果たしているという事実は特筆すべき事象」という記述、これは看過できない。
Financial Inclusion Survey 2021によれば、フィリピンの2021年の銀行口座所有率は56%。23%というのは2017年と古い話でしかない。
一方で、暗号資産の認知率は2021時点でも6%、実際に運用しているのはさらにその19%、つまり全体の1%でしかない。
金融包摂に果たす役割はまだまだ限定的なのはあきらかで、ましてや「どの政策よりも金融包摂の機能を果たしている」はずがない。明確に間違いだと言っていい。
間違いというだけでなく、金融包摂を実現しようする関係者の努力を不当に貶めているわけで、極めて失礼なもの言いだと思う。
自分とこの正当性を主張するために、事実と異なる情報を提示し他者の貶めるというのは誠実性に欠けるし信用するに値しない。そういうのがひとつあるだけで、本書全体の信頼性に疑義が生じてしまう。もう少しまともな人選をしてほしいところだった。 -
Posted by ブクログ
●NFT
➡︎代替え不可能なデジタル資産
●DAO
➡︎自律分散型組織
•ひとつの共通のミッションが存在
•主体管理者が居ない
•コミュニティ主導
•実名、匿名のアカウントが入り混じる
● メタバース
➡︎一言でいうと「仮想空間」です。インターネット上に構成される3次元の世界で、私たちはアバターと呼ばれる自分の分身を介し世界に入ります。
●サッカー選手、メッシの契約報酬の一部に暗号資産が含まれていた
●ファッション業界は、石油産業に次いで2番目に環境負荷の大きい業界
全CO2排出量の10%、および全廃水量の20%を占めている
➡︎デジタルファッションはデジタユタ完結し、フィジカルな商品生産を必要としない為、環境に優しい
●GUCCIのNFT
●Spotifyは一再生あたり平均0.003〜0.005ドル程度しかアーティストに支払われてない
➡︎NFTを活用する事で一回の販売でストリーミングプラットフォームより、多くの収益を得られる
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Posted by ブクログ
本書は、各業界と NFT の関わりについて解説する第1章、法律や会計処理について専門的に解説する第2章、NFT の将来を語る第3章からなる。
第1章では、非常に多くの事例が紹介された。各分野について牽引企業のリーダーを著者に引き入れている以上、宣伝的な部分もあったとは思うが、多様なビジネスを知ることができたと同時に、その共通点をある程度見出すことができた。まず、アートやゲーム、eスポーツの界隈で、希少性や所有感を魅力とした流行があることがわかった。また、コミュニティ運営で NFT を使用し投票権を用意する手法が界隈を問わず利用されており、良い工夫として人気を集めていることがわかった。Layer 2 のような技術についても (技術的専門性はないものの) 詳しく解説されており勉強になった。課題についてもある程度言及されていた。
第2章は、個人的には最も面白く感じた。現状の法律や金融規制、会計処理でどう取り扱われるかが、かなり専門的に詳しく記述されていた。また、その対応方法の多様さからも、NFT 技術はあくまで技術の1つであり、それを用いて何をするかはビジネス次第であることが伝わった。
第3章では、有力者が今後の展望について語るものであった。正直なところ理念的な話が主で、やや眉唾で聞くべきだとは感じたものの、業界が考えているビジョンを詳しく知ることができる点で有用であった。
個人的には、一過性のブーム的な要素が強く、第3章の言うようにどこでもブロックチェーン技術を基盤とするような社会が来るかは疑問であるが、主にアートやゲームの分野で既に大きな市場ができているのは事実である。今後、消費者保護やマネーロンダリング防止の文脈で法改正がおこる可能性もあるだろう。また、今後さらにコンテンツ産業が成長するにあたって、(NFT を問わず) 著作権法の改正が求められる可能性がある。どのように変化していくのか注目したい。