谷川健一のレビュー一覧

  • 神に追われて 沖縄の憑依民俗学

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    比較神話学視点でとても刺激的であった。私が住んでいた島の、とても身近でとても遠い世界の話。"ミヤコ"と"グショウ"はカメラフィルムのネガポジ反転のような距離感なのかもしれない。

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    2022年08月25日
  • 神に追われて 沖縄の憑依民俗学

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    根間カナに突然神が乗った。宮古の根、先祖の根を掘り起こせと神は命じる。
    カナは狂気のごとく「ウタキ」を経巡るが、神の苛烈な試練は止まらない。


    沖縄の巫女(カンカカリヤ・シャーマン)の体験を記録したノンフィクション。
    ちなみにストーリー紹介のウタキは「御嶽」で、沖縄・琉球地方の聖地の総称の事です。
    ノンフィクションとはいいつつ、雰囲気は小説のようで、分析などを挟まず、淡々と巫女たちの体験を語っていくスタイル。うちなーぐちが頻繁に登場するほかは読みやすいです。

    神に憑かれたものは、唐突に幻聴や幻覚、体の痛みなどに襲われるそうです。本を読んでいると精神疾患や沖縄地方特有の文化依存症候群……のよ

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    2025年08月15日
  • 神に追われて 沖縄の憑依民俗学

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    ・ 私は谷川健一が民俗学の研究者であることは知つてゐた。しかし、私の関心と関はるところがないかの如くで、谷川の文章を読んだことはほとんどなかつた。この谷川健一「神に追われて 沖縄の憑依民俗学」(河出文庫)もそんな1冊に違ひはないのだが、ただ私は書名の憑依とい ふ語にひかれた。憑依、憑霊、狐憑等々、かういふ言葉とその実体が好きなのである。だから買つて読んだ。おもしろかつた。かういふことを考へてきた人なのだと思つた。解説には、「沖縄、宮古島は、谷川民俗学の背骨を形成している。」(前田速夫「異様な宗教体験の記録」206頁)とある。谷川民俗学はかういふものであつたのだと教へられた。これがすべてではない

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    2022年04月18日
  • 神に追われて 沖縄の憑依民俗学

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    不思議な沖縄の習俗、神がかりのユタと呼ばれる巫女さん達の物語。聞き取り調査の記録なのでこういう世界があることを認識する。

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    2025年08月18日
  • 埋もれた日本地図

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    現代は、過去の様々な出来事が積み重なってできているわけだが、特に重大なことや人物、風習などが、地名となって残る場合がある。読みは同じでも、漢字が変わったりなどして、全く印象が変わったり、繋がりがわからなくなっているものも少なくない。本書はそういった「見えなくなった地名」などから、地域の歴史やそこで暮らしていた人物に光を当てようというもの。例えば、現在の西東京のあたりには、平安期から高麗の人々が技術者として移り住んでしたらしいが、こうらい→こま→川のそばでこまえ→狛江という説。また、水葬や風葬が当たり前だった時代の風習が形を変えて残っているものなど。民藝とか風習を理解することで、その地域の理解が

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    2023年10月20日
  • 埋もれた日本地図

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    ネタバレ

    フィールドワークをもとにした「中央の歴史に残らない人々やその事情」を収録したエッセイ集。
    学術的なものではないので読みやすく、しかも興味深い。カヤカベ信仰の話はより詳しく知りたくなった。
    で、何より驚いたのはこのエッセイ、載っていたのが活花の雑誌だっていうこと。何らかの縁でもあったんだろうか。

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    2022年01月30日