宇多浩のレビュー一覧

  • 知覚と志向性―-フッサール現象学における知覚理論

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    フッサールの知覚論にかんする研究書です。

    主に『論理学研究』から『イデーンI』を経て、『受動的綜合の分析』や工期の発生的現象学にいたるまでのフッサールの思索の変遷をたどり、彼の知覚にかんする考えと志向性という概念が、どのように深められていったのかということを解明しています。

    著者はまず、『論理学研究』におけるフッサールの知覚理論が、「代表象理論」と呼ぶことのできるものであることをたしかめます。それは、言語の意味を統握するというモデルにもとづいて構築された理論であり、知覚的経験がその対象を呈示的に指示すると考えられていました。著者は、こうしたフッサールの考えに対する批判的な検討をおこない、実

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    2023年08月13日