石村嘉成のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
石村さんの絵画が好きで、こちらの本に出会い読みました。
幼少期からずっと絵を描いてきた方かと思いきや、
親子(母子、父子、そして3人)で歩んできた本当に地道過ぎるようなひとつひとつの出来事が、繊細に丁寧に紡がれた上での現在のご活躍に繋がっていることがわかりました。
著者がお父様であり、お母様であり、嘉成さんであることに本当に意味があり、
ご家族ひとりひとりの思いや葛藤がひしひしと伝わりました。
決して綺麗ごとにはできないほどの苦労や努力、
それでもなんとか未来を打開していく工夫、
たくさんの出会いをいい方向へ繋げる姿勢、
私にとって学びがたくさんありました。 -
-
-
Posted by ブクログ
障害のある子ども達とかかわっている1人の教師として、この本を読んだ時、改めて障害のある子どもを育てる両親の葛藤や苦悩、それに勝るほどの喜びなどを感じることができた。
「自閉症児の療育は2歩進んで3歩下がる」
昨日できていたことが、今日はできない、明日はできるかもしれないが、その先は分からない。だからこそ、できるようになった時の喜びはとてつもない。
私が障害のある子ども達とかかわる中で、特に嬉しい光景は、できなかったことができるようになった彼らの姿を見ることである。
この本を通じて、障害のある子ども達の親、周りの人たちがその子にどれほどの願いを、気持ちを込めているのか改めて知ることができ -
Posted by ブクログ
2歳で自閉症と診断され、暴れる、なかなか発語がないなどのたいへんな時期を経て、その後、版画などのアーティストとして世界的に活躍するに至った石村嘉成さんの両親による「療育」の記録。
嘉成さんの療育に人生を捧げたといえる母・有希子さんは、がんにより嘉成さんが11歳のときに早世しているが、その想いを受け継いだ父・和徳さんが、有希子さんの療育の記録を引用しながら、子育ての歩みをたどっている。
とても貴重な療育の実践記録であり、心に迫るものがあった。有希子さん、和徳さんには本当に敬意を表したい。
四六時中向き合われていた息子の成長を見届けることなく世を去られた有希子さんの無念を思うと、心がぎゅっとなった -
-