田島木綿子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ前著「海獣学者、クジラを解剖する。」に続く。
前著のお陰で、日本ではクジラの遺体の有効利用への理解が進んだのではないかな。
さて、本著のテーマ 死でなく、生殖である。
全体的な感想として、オスは自分の遺伝子を残すためにひたすらメスを求め、奮闘努力する。メスは自分でオスを選ぶというけど、結局オス同士の戦いの勝者を無条件に受け入れる、という感じですね。
以下、蘊蓄
・シャチは背びれの大きさでオスの優劣が決まる
・ザトウクジラはラブ・ソングを歌い求愛する
・ザトウクジラの歌は毎年流行が変わる
・ザトウクジラの歌は3000キロ先まで届く
・ザトウクジラはシャチに襲われた動物たちのガードをする
・ザト -
Posted by ブクログ
面白かった。
クジラなども乳がんやインフルエンザ、脳炎、肺炎、心臓病、糖尿病などにかかると初めて知った。人間同様、哺乳類なのだと改めて感じた。
海洋プラスチックが海の生物に影響を与えているので、環境に気をつけないといけないのだなと改めて感じた。
プラスチック片には、残留性有機汚染物質「POPs(Persistent Organic Pollutants)」が吸着し、濃縮する。
一般に、POPsは食物連鎖を介して、小さな生物から大きな生物へと移行し、そのたびにどんどん濃縮されていく。したがって、海の食物連鎖の頂点に位置するクジラやイルカなどの哺乳類は、高濃度にPOPsを含んだ餌を日常的に口に -
Posted by ブクログ
2000頭以上を調査解剖している女性研究者の奮闘と、
海の哺乳類たちの生態、彼らを取り巻く環境問題を語る、エッセイ。
1章 海獣学者の汗まみれな毎日
2章 砂浜に打ち上がる無数のクジラたち
3章 ストランディングの謎を追う
4章 かつてイルカには手も足もあった
5章 アザラシの睾丸は体内にしまわれている
6章 ジュゴン、マナティは生粋のベジタリアン
7章 死体から聞こえるメッセージ
カラー写真の口絵8ページ。
コラム、参考文献、ストランディングの連絡先一覧有り。
ストランディングの情報が入れば、大荷物を背負い、東奔西走。
クジラ等の海の哺乳類を解剖し、研究する著者が語るエッセイ。
川田伸一郎/ -
Posted by ブクログ
こちら、すごく面白かった!!
イルカ、クジラ、アザラシ、アシカ、セイウチ、ジュゴン…などなど、海の哺乳類のことがいっぱい知れました。
知識欲も満たされて、読み終えてからも楽しい余韻でドキドキ♪
海の哺乳類の生態、進化、海洋生物のストランディングと死因について。人間との共通点。遺伝子解析から見えてくる事実。標本ができるまで。環境汚染問題。
ストランディングの原因でもある海洋プラスチック問題は想像以上に深刻。
楽しいことも、そうでないことも、とにかく興味をひくことばかり。
読んだ内容が記憶からこぼれ落ちていくのがもったいないのと面白いのとで、読み終えてすぐもう一度読みたくなりました。
水族館に -
Posted by ブクログ
海岸に打ち上げられた海の哺乳類たちを調査する海獣学者のエッセイ。
クジラたちの生態がわかりやすい言葉で書かれており、とても楽しく読めた。
摂餌方法とかとても興味深い。→
クジラたちが海岸に打ち上げられる状態である「ストランディング」という言葉も初めて知ったが、意外とストランディングが頻繁に起こっていることに驚く。そして、陸に上がった彼らを調査する時間の短ささにも(内臓が溶けて爆発するとか、想像できない……)驚いた。
あと、イルカやシャチ、ペンギンやマナティなどの話も楽しい。ペンギンの赤ちゃんの見た目の違いとか、謎が解けた感があったり!(もふもふボサボサの赤ちゃんはキングペンギンの子なのか)