関かおるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレウェディングカメラマンである主人公が過去に因縁のある女性落語家を担当することになるお話。カメラ、落語、ウェディングという3つの特異な業界について知見を深められた。普段は接点のない専門家たちの誇りと苦悩を感じることができて面白かった。特にウェディング業界は一生に一度のイベントであるため顧客からのクレームや急な予定変更など過酷な側面があると感じた。
主人公は担当することになった女性落語家の寄席中に写真を無断で撮影してしまった過去をもつ。起こしてしまった問題に対して落語家達からの不相応なほど当たりが強いシーンが多々あり、そこはあまり共感できなかった。一生に一度である結婚式の雰囲気を破壊してしまうかも -
Posted by ブクログ
関かおるさんのデビュー作。
青春&お仕事小説。とても読みやすかったです。
読んでいて素敵だなと思ったのは、主人公の父親が専業主夫である事を、自然に当たり前のように描いている所。バリバリ働いている母親の出番はほとんど無し。役割が逆なパターンは何度も出くわすので、このパターンは新鮮で斬新に感じました。
読みやすかったのですが、自分にはいまいち物語に入り込めないような、登場人物に感情移入できないまま終わりました。居心地が悪いような息苦しいような感覚。
なんでだろう?と考えながら読んでたのですが、終盤くらいに気付きました。主要な登場人物みんな、仕事に潔癖で完璧主義で全身全霊だからだ、と。 -
Posted by ブクログ
舞台袖から落語家を見ているうち、勝手に手が動いて写真を撮ってしまった主人公。それは、演芸写真家である師匠との約束「演者の許可なく写真を撮らない」を破ることであり、しかしその謝罪もせず、逃げるように師匠のもとを去った。四年後、彼女は会社に属して、ウエディングフォトを撮っている。演芸写真への思いには蓋をして、主役であるお客様、会社の言いなりの彼女に、新人のアルバイトは「いい写真を撮るより、トラブル回避っすか」と、たてつく。彼にはウエディングフォトを撮りたいという、情熱がある。
落語の世界に導いたお父さんの病気、あの日、勝手に写真を撮ってしまった落語家との最悪な再会、それから師匠の病気、アルバイト -
Posted by ブクログ
うーん……。
これは……、若者の成長物語&お仕事小説、としてよりは、芸術を追い求める人たちのお話として読むと、より味わい深いのかもなぁ、という読後感でした。
<あらすじ>
主人公・宮本繭生(まゆう)はカメラマン。
父親に連れられて高座にハマり、落語家の写真を撮る演芸写真家を目指していたが、師匠からの決まりごとを破り、咄家が高座にあがっている最中に了承を得ずに写真を撮ってしまった。
己の大失態に怯え、誰にも謝罪せず逃げた繭生は、その後ウェディングカメラマンとなるが、仕事にヤル気も誠意もなかった。
そんなとき、繭生が失態した相手、咄家のみず帆が結婚式の打ち合わせにやってきて、写真撮影を拒絶され