須永朝彦のレビュー一覧

  • 王朝奇談集
    「日本霊異記」「今昔物語」「大鏡」「古事談」「宇治拾遺物語」等など、王朝時代の説話集から、不思議な話、奇妙な話、クスっと笑ってしまう話まで、筆者独自のセンスで選び抜かれた82編を収録。

    これ、メッチャ、おーもーしーろーい~

    以下、おススメのお話

    「人を造る」
    西行のエピソードで、人骨集めてホム...続きを読む
  • 王朝奇談集
    須永朝彦編訳『王朝奇談集』(ちくま学芸文庫2022年8月第一刷)の感想。
    王朝の奇談を集め現代語に訳したもの。会話部分はより古風。美しい文章で読ませる。
    古事談の宇多法皇と源融の霊、霊が腰に抱きつく辺り妙に可笑しい。
    宇治拾遺物語の一条桟敷屋の鬼「ようも御覧なされたな、ようも御覧なされたな」と言うと...続きを読む
  • 須永朝彦小説選
    〈冥府よりの誘惑者、あるいは暗い美青年としての吸血鬼〉を創出し、天使や妖の美に悦んで屈服するマゾヒスティックな願望を描いた、耽美小説の極北。編者・山尾悠子。


    吸血鬼小説を読み漁っていたころ、『就眠儀式』『天使』は特にお気に入りの作品集だった。旧仮名遣いの綺羅綺羅しい文体と、主人公と読者を暗い森へ...続きを読む
  • 須永朝彦小説選
    2012年4月に廉価版「天使」を読んで以下のように書いた。
     *
    もっともっと凄まじくおどろおどろしいものを想像していたのだが、意外にポップ。
    にやりにやりと口元が緩んでしまう。
    しかしまあ、それだけかとも思う。
    薄い夕暮れの中にさまよう程度のもので、別の世界や遠いところへ奪取していかれるほどのもの...続きを読む
  • 王朝奇談集
    平安時代を中心とした奇譚。
    巨大な女が流れ着いた話とか簡素なモノはアッサリしているだけに妙に信憑性がある。
    面白かったので再読し再度感想を上げたい。
  • 王朝奇談集
    こんな事があったのよ,というようなお話を日本霊異記から平家物語までピックアップ.思わず、えっ本当!と思ったり,そうなんだと思ったり.わかりやすく書いてくれているけれど,少し読みづらい.
  • 須永朝彦小説選
     本書巻末の「編者の言葉」を読んで、須永朝彦という人物を知ったのは、後半生のアンソロジストとしての仕事を通じてだったのだなあ、と分かった。

     作家としての作品は初めて読むものばかり。確かに読者を選ぶ作品が多いとは思うが、掌編と言っても良いような作は面白いし、読みやすい。
     もっとも、『小説全集』刊...続きを読む
  • 須永朝彦小説選
    ・須永朝彦を知つたのはいつのことであつたか。私は歌人としての須永をほとんど知らない。歌人であつた、歌集を出してゐるといふことを後に知つた。私が須永を最初に知つたのはやはり「就眠儀式」であつたと思ふ。これは1974年に出てゐる。私が見つけたのはこれよりもかなり後のこと、めつたに行かない書店でたまたま見...続きを読む
  • 須永朝彦小説選
    今年2021年5月に没した耽美幻想派の作家の作品から
    山尾悠子がセレクトした逸品集。
    収録作は、

     契
     ぬばたまの
     樅の木の下で
     R公の綴織画
     就眠儀式
     神聖羅馬帝国
     森の彼方の地
     天使Ⅰ
     天使Ⅱ
     天使Ⅲ
     木犀館殺人事件
     光と影
     エル・レリカリオ
     LES LILLAS――...続きを読む
  • 須永朝彦小説選
    山尾氏の巻末解説によると、今や定番と言って良い、誘惑者としての美青年吸血鬼の原型を産み出したのは須永氏なのだそうだ。ただ、そうしたものとして読むには、ここに現れる者たちはすごみがありすぎるかも知れない。
    集められたものはほとんどが掌編。形式から言えばショートショートだが、そう捕えると異形で、形式のミ...続きを読む