鈴木喬のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
201312/
江戸時代の消火活動は今とは違う。(中略)火元から風下の家々を壊して延焼を防ぐ「破壊消防」が基本った。そこで重要なのは、どの家を壊せばいいかを明確にすること。その判断をするのが纏持ちだ。纏を立てることで、「俺の組はこの家の手前までで火を止めるぜ」ってことを世間と仲間に示すわけだ。この判断は難しかったと思う。風向きと風力、地形や家の配置などから総合的に判断しなきゃならない。風向きはいつ変わるとも知れないから、予測を立てるしかない。恐らく、経験と勘が頼りだったろう。常に間違う可能性はある。(中略)仲間の火消人足は、地べたで仕事をしているから周りの状況がよくわからない。頼りになるのは、屋根の上で全体の状況を見ている纏持ちの指示だけだ。「風向きが変わったぞ!反対側に回れ!」「右手の火の勢いが強くなった!そっちへ回れ!」きっと、こんな指示を出してたんだろう。これは、地べたに下りずに、見晴らしのいいところに立ち続けているからこそできることだ。(中略)僕は、これぞ社長業だと思う。/
社長業とは「決断業」だ。社長は、自らを恃んで纏を立てなきゃならない。的はずれなことをしてはまずいが、間違いを怖れてグズグズしているのが一番ダメだ。/
CMとは競合企業との戦いではない。CMを流しているすべての企業との戦いだ。月間に4000ものCMが流れるなか、視聴者の記憶に残るのはほんのわずか。そして、記憶に残らなければ、そのCMはなかったのと同然だ。/
「偉大な事業を起こしてみずからを類稀な模範として示すこと以上に、君主の名声を高めるものはない」これは、マキャベリの「君主論」の一節だ。まさに、そのとおりだと思う。単に社長という職位に任命されたからといって、「社長」になれるわけではない。周囲を圧倒するような「結果」を出して、はじめて「社長」になれるのだ。/
「成熟市場」というのは面白い。なぜなら「思い込み」があるからだ。当時の脱臭剤は、日本とヨーロッパは「ヤシガラ活性炭」、アメリカは「重曹」。これが常識だった。しかも、寡占市場だから慢心がある。アイデア一発でひっくり返せる可能性がある。/
営業の神髄を叩きこまれた。重要なのは、準備だ。これで、ほとんど勝負は決まる。(中略)相手に気持ち良く話してもらう。これが営業の基本だ。そのために大切なのが「質問力」。ここで準備が生きる。/
僕は、どこかの社長が新聞や雑誌に出たら、切り抜きを持ってくるように秘書に言ってある。すぐに電話をかけるのだ。相手の秘書は、必ず社長につなげてくれる。そして、「感服いたしました」と伝える。(中略)僕も社長をやってるからわかるけど、こういうのはやっぱりうれしいんだよ。メディアに出るなんて、そうそうないことだからね。内心、どう受け取られるか不安だったりもする。そんなときに一本連絡をくれて褒めてくれたら、10年来の友人くらいに思うもんだ。/
働き一両、考え五両、見切り千両。かの上杉鷹山の言葉だそうだ。/
「バッシングが来るかもしれません」「俺が社長だ。お前が社長じゃない。俺が命かけるんだ。お前は関係ない。お前は、心だけ込めりゃいいんだよ」/
重要なのは、お仕着せではなく、一人ひとりが自発的に腹に落とし込むことだ。「言われて」から動くのではなく、勝手に身体が動く。それが、社長の思いと合致したとき、会社はまるで生き物のように動き出す。それこそ、組織力だ。/
僕たちのご先祖様は、そんな世界の動きのなか、次々と襲い掛かる危機をくぐり抜けてきた。そして、時代を動かしてきたのは、偉そうな顔して暗いことを言ってるヤツじゃない。暗い時代のなかで、酷い目にあってもバカみたいに笑って元気に頑張ってきた人たちだ。/ -
Posted by ブクログ
ネタバレチェック項目20箇所。社長に必要なのは、「運」と「勘」と「度胸」、ドシッとした腹なんだよ、ところが、ちょっと具合が悪いと騒ぎ出す、「100年に一度の危機」だとか妙に煽り立てる、人類の歴史を見りゃすぐわかることだ、いつだって「危機」なんだよ、そのなかで、どうするかを考えるのが社長ってもんだ。10歳の時から、生き残るためには何でもやった、当時は、やくざがいちばん食える商売だったくらいひどかったから、今が危機とか言われてもどうもピンとこない。社長の第一の仕事は、旗印を明確にすることだ、会社の基本方針を掲げる、会社が向かう方向を決める、そして、「あっちへ進め!」と社員に号令をかける、いわば、火消しの纏持ちみたいなものだ。ゴールも決めずに、「目の前」の仕事をいくら積み重ねてもゴールにはたどり着かない、ゴールにたどり着くためには、まず最初にゴールを明示しなければならない。だいたい、勝負は3日3月3年なんだ、3日で言いたいことを全部言っちまって、3ヶ月以内に全部実行してしまう、そう簡単にケリがつかないときは、じっくり3年かけて攻め落とす、でも、本当は3日じゃ悠長だ、実際には、最初の15分で決まる。お客様は性能がいいからというだけで買うんじゃない、感性にも訴えるから買ってくれるんだ。僕は、あんまり経営書は読まない、役に立つのは歴史だ、特に、戦争の歴史にはヒントがたくさんつまってる、なぜなら、経営のいちばん凝縮した局面というのは、戦争そのものだからだ。もちろん、僕にも「夢」や「理想」はある、それらがなければ、バカバカしくて経営などやっていられない、しかし、それを実現するためには、冷徹なるリアリズムを根底にもたねばならない、リアリストでなくして、「夢」も「理想」も実現できるものか。実は、アイデアだけではイノベーションは起きない、そこには、必ず権力がなければならないのだ、スティーブ・ジョブズを見ればいい、同じようなアイデアと技術は他の会社ももっていた、しかし、それを最初にカタチにすることができたのはアップルだった、なぜか? ジョブズが典型的な独裁者だったからだ。いったん社長として成果が出始めると、権力基盤が強くなりすぎる、社内の抵抗勢力が少なくなってくるのだ、何をやっても「賛成、賛成」、経営はやりやすくなるが、物足りない、というより、本当に会社にとっていいことなのかどうかわからなくなってくる、やっぱり、人間、批判がないと方向感覚に自身がもてなくなってくるのだ。社長が慕われている組織のほうが強い、だから、僕の答えはこうだ、まず、怖れられろ、慕われるのは、その後だ。もしも、うまくいってないところがあれば、「あいつとあいつは相性が悪いから、ちょっと離しておくか」などと、気づかれないように手を打つ、そんな気働きができないと、組織は滑らかに動かない、「見えないところ」で雑巾がけをする――、社長の本当の力量は、ここにかかっているんじゃないかな。博打で大事なのは平常心だ、クールな頭で、大胆に勝負する、そのためには、負ければ痛いが、命まではとられないという、心の余裕が必要だ。もっとも重要なのはキャッシュだ、赤字で会社は潰れない、キャッシュが尽きたときに潰れるのだ、そして、キャッシュを持っていれば、いちばん強い、「キャッシュ・イズ・キング」である、その指標となる自己資本比率は約65%、おかげさまで、エステーの財務内容は極めて健全である。ニコニコ笑うんだよ、愛嬌があれば、人間関係が生まれる、そして、「運」とは人間関係の綾のなかに隠されているんじゃないかと思う。社長業とは「人物鑑定業」である、「人間がわからなければ、「数字」に騙される、ビジネスとは、最後の最後は「人間」なのだ、これは、100%「勘」の世界だ。3分考えて結論の出ないことは、3年考えても結論は出ない――、僕は、常々こう言っている、たいていのことはパッパッと決める、会社のことをいつも考え続けているから、すぐに結論が出る、3分考えて結論が出ないということは、普段の考えが足りない証拠だよ。「俺が10歳の時、東京は全部燃えて真っ黒焦げになった。俺んとこもそうだった。それで、親父と二人で露天商をやって、くず鉄拾ったりしてなんとか生き延びて、ここまでやってきたんだ。もしも、とんでもないことが起こっても、またもとに戻るだけや。食うや食わずだったけど、日本はそれでも復興した。また、やりゃいいじゃないか。会社のひとつやふたつ、俺はつくってやる。テレビつけりゃ深刻な顔して『先行き不安』とか言うけど、先行きなんていつも不安なんだよ。だから、テレビを見るより、ほら、俺の顔を見ろ。俺についてこい。心配するな。負けるもんか。みんな頑張ろう!」。「バカ野郎、寝言を言うな! お前な、福島の工場でつくった商品が、日本中の皆さんに愛されてきたんだ。俺たちは日本のメーカーだ。死んでもここから一歩も動くか。増強することはあっても撤退はしない!」。産業革命以前は、中国とインドが世界のGDPの多くを占めていた、農業の時代だから人口が多いところが強かった、ところが、産業革命が起こってイギリス、それからアメリカが覇権をとった、それが、再び揺らいでいるってだけの話、世界は常に動いている、それだけの話だ。
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Posted by ブクログ
人間味満載の経営者ならではの本。本質を突いた内容がとても素晴らしく、思わず、「うーん、なるほど!」と唸ってしまう箇所が沢山あった。かなり学べた。
上杉鷹山の、「働き一両、考え五両、見切千両、無欲萬両」という言葉が深い。実践できるかなぁ。
あと、個人的には、道徳主義と現実主義をどう捉え、どう行動に移すかは当面の課題。
確かに、人間はマキャベリや韓非の言うように、人は愚かでズルい欲望の固まり。そして日常でも多々そのように感じているし、沢山の辛酸をなめてきた(いる)ように思う。
でも一方、 gumiの国光氏さん(本書とは無関係)が言うように、これからは、強くないと生きて行けないけれど、かつ優しさがなければ意味がない時代。だとも思う。
リスクを避ける為、人の多くはマキャベリや韓非だという前提に立ちながらも、本心は優しくありたいというのが本音。ズルい人間に負けたくないし、純粋無垢な人間には希望や勇気を与えていきたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ適当な感想を言うと、なんなんやこの人は、って感じ。
遠巻きに見てたら絶対おもろいやろって感じ。けど、近くにいる人や社員はそれプラスで大変やろうなとも思う。もちろんその分「おもろい」ってのは増長されるやろうけども。
サラリーマン社長ではまずこの人の真似は無理。
かといってこういう人は通常のルートだと社長にはなれないやろうし、みんな反対するやろw
なんかすげぇ。最後のほうはちょっと話がそれていったけどw
・過去を全面否定できるのは、社長だけ
・「イヤなことをやる」のが社長だ
・「捨てる」のは社長の仕事
・会議をやるから、つまらないものしか生まれない
・衆知を集めるから。間違える
・民主主義経営、その実態は無責任経営
・独裁でなければ、スピード経営はできない
・社長は舐められたら終わり
・遠きと交わり、近きを攻める
・ただし、憎まれてはならない
・命がけの博打はしない
・「しゃべり上手」で成功するヤツはいない
・社長の営業力は、会社力そのもの
・真面目じゃ社長は務まらない
・社長は眠れなくなったら負けだ
・絶対に半生などしない
★大将は物見塔のてっぺんでボーッとする
・イケシャーシャーで図太く生きる
頭なんか下げ取ったらええんかな、よく分からん。もうあかんあかん。