フランシスコ・X. ストークのレビュー一覧

  • マルセロ・イン・ザ・リアルワールド
    発達障害を持つ主人公が、普段通う施設を離れて、実社会へ踏み出し、いろんな経験の中で自分と向き合い成長するお話。
    主人公マルセロの頭には音楽が鳴っている。クラシックだ。その曲が小説のところどころに出てきて、バッハなど、曲の雰囲気が小説の良さを引き立てる印象。
    守られた施設を離れて、マルセロは社会の嫌な...続きを読む
  • マルセロ・イン・ザ・リアルワールド
    よくある障害者の目線で世界を見ると、というものではなく、ミステリーの要素もあって、約400ページを一気読み。
  • マルセロ・イン・ザ・リアルワールド
    アスペルガーに近い症状を持つマルセロが、父の要望で、夏の間法律事務所でアルバイトをすることになる。知性は高いけれど物事へのこだわりが強く、コミュニケーションが苦手なマルセロにとって、これまで通ってきた養護学校の温かな環境から出てリアルワールドに飛びこむのは大きなストレスだ。
    じっさい、行ってみると、...続きを読む
  • マルセロ・イン・ザ・リアルワールド
    SL 2022.2.24-2022.2.27
    発達障害を持つ主人公の視点から語られる、ひと夏の大きな成長の話。

    父親はマルセロに「わたしを信頼できなかったのか」と聞いたが、父親がマルセロを信じていなかった。マルセロがまさかこんなことを見つけて、正確に状況を把握するとは思っていなかったんだと思う。そ...続きを読む
  • マルセロ・イン・ザ・リアルワールド
    自閉症スペクトラムのマルセロが、守られた養護学校を出て、父親が経営する法律事務所で夏のバイトに。様々な人々と触れ合いながら、健常者の社会で力強く生きてゆく。
  • マルセロ・イン・ザ・リアルワールド
    二つ目のスタンプブックス。質がよくて素晴らしい。
    かつての福武のベストチョイスに思春期感を足したようなシリーズだ。

    こちらは発達凹凸の高校生(微妙な年齢です)の成長譚。
    マルセロは音楽と宗教が好きで真面目な発達凹凸青年。
    教科書通り、くらいの発達さんで、adhd色は弱め。
    普段は支援学校というか養...続きを読む
  • マルセロ・イン・ザ・リアルワールド
    アスペルガー症候群(に近い)17歳のマルセロのひと夏の成長を描いた小説。
    生き馬の目を抜くアメリカの弁護士の世界で、メキシコ系ながら高い能力でのし上がって来たマルセロの父は、マルセロには「お前は障害者ではない」、もっと勉強し、社会で成功出来るようになれと言っているが、職場では「息子には認知障害があ...続きを読む
  • マルセロ・イン・ザ・リアルワールド
    マルセロの言葉が素晴らしかった。
    いつもきちんと考えて言葉にしている。
    そして正直である。

    この物語の中の特別な事件や嫌な奴らよりも、マルセロのIMに身を委ねるのがいいと思った。

    イステルに「あなたにもあるの?醜いところが」と聞かれ、
    「自分に醜い部分が見つからないこと、他人の醜い部分を許したく...続きを読む
  • マルセロ・イン・ザ・リアルワールド
    マルセロが大好き。きっと実際に一緒にいると、イライラしたり、傷つけたり、傷つけられたりすることが多い人なのはわかるけど、でも好き。訳者のあとがきにあるとおり、「さまざまな彩りを放つ」虹のようなスペクトルを眩しく思います。
    大きく自閉症スペクトラムとしてくくられる子と接する機会は多い方だと思うんですが...続きを読む
  • マルセロ・イン・ザ・リアルワールド
    発達障害があるマルセロ。ピュアで信頼できる少年だ。正直すぎてまっすぐすぎるマルセロはリアルワールドでは障害がある、と括られてしまうのかもですが、わたしには障害には見えなかった。マルセロをマルセロのまま、受け入れ、理解し、一緒に生きていく、そんな人たちがいることがホッとしました。リアルワールドでも、そ...続きを読む
  • マルセロ・イン・ザ・リアルワールド
    発達障害をもつマルセロが、リアルな世界を経験して欲しいという父の望みから、ひと夏の間、法律事務所で働くという話。ジャスミンと言う仕事仲間がいい人に出会った感じ。この選択は親心があったのか?なかったのか?後半は急展開する事件があるが、物語全体でもすごく優しい目線。こうした多様化を受け入れると言う事を脳...続きを読む
  • マルセロ・イン・ザ・リアルワールド
    発達障害のマルセロは弁護士の父親から夏休みに自分の弁護士事務所で働き、世の中を経験し迎える高校3年生を普通学級の高校へ行くように言われる。
    リアルな世界を体験し、最後には自分で決めるように言われる。その弁護士事務所でマルセロは、事故で傷ついた少女の写真を見て父親の隠すある事実を知り、父親に向かってい...続きを読む
  • マルセロ・イン・ザ・リアルワールド
    認知障害をもつマルセロが、夏休みの間だけ父親の弁護士事務所で働くことを通じて、「リアルな世界」で生きることを学んでいくお話。
    「リアルな世界」では当たり前にみんなが使う、表情や、皮肉や、暗黙のルール。マルセロはそう言ったことを理解することができません。なので、1つ1つを「なぜ?」と問うていく、その様...続きを読む
  • マルセロ・イン・ザ・リアルワールド
    アスペルガー症候群に一番近い主人公のマルセロと私は似てる部分が多いので彼に接する人たちの一挙一動に動揺していて、いつもよりも特定の登場人物たちに対して嫌悪感と憎しみを抑えることにかなり苦労しましたが同時に感謝と喜びも一入でした。日本の小説でも漫画でももっと見えない障がいの発達障害について取り上げるの...続きを読む
  • マルセロ・イン・ザ・リアルワールド
    人生で最も多感な時期の一夏の経験の物語。

    パターソンという特殊な学校に通い続けることを望み、家の中でもツリーハウスの中で生活しと、マルセロはいわば温室育ちだ。それが、夏休みの職業体験で「リアルワールド」を体験する。

    マルセロは普通とはちょっと違う17歳ではある。どこがどのように違うのかが、自然な...続きを読む
  • マルセロ・イン・ザ・リアルワールド
    p190 「急坂」にわざわざ「きゅうざか」とルビが振ってある。一応「大辞泉」を引いたら、やはりこれは「きゅうはん」
  • マルセロ・イン・ザ・リアルワールド
    面白かった。
    正しいことは怖ろしい。そう感じてしまうところがどこかあって、あるいはそれが主人公の言う「ぼくの醜い部分」なのかもしれない。「正しさ」は時としてそこにある「普通」や「秩序」を乱してしまうからだ。「普通」の人々は、この「リアルワールド」を生き抜く上で必要なことをしている。別に悪いことじゃな...続きを読む