小塩海平のレビュー一覧
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イングランドの牧草花粉症、アメリカのブタクサ花粉症、日本のスキ花粉症が世界3大花粉症だそうだ.前の2つは前世紀の話だが、両方とも上流階級の人の患者が多かった由.スギは誰でも容赦しない.花粉の発見から話が始まるが、多くの科学者が研究してきた歴史を知ることができた.ネアンデルタール人が花粉症にかかったどうかは確認できないものの、花粉のことは知っていたようだ.ブタクサに関してアメリカが除草剤で処理を試みたが、ブタクサ自体が除草剤抵抗性を持った話は特に面白かった.アメリカのやりそうなことだ.所々に出てくる何気ない独白、例えばp34の"花を育てる庭もなく、花を買う金もない、..... 私には、
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花粉発見史
ロバートフック・・・細胞の発見者。ミクログラフィア(顕微鏡図譜)を発刊し、セルを発見した。花粉を見つけたかは不明。
レーウェンフック・・・微生物や精子を発見。コショウがピリピリするのは目に見えないトゲが舌に突き刺さるからと考え、自作の顕微鏡で実験を試みた。コショウを水につけて柔らかくしているときにサンプル中に発生した小さな微生物を発見した。
最初の花粉症患者?・・・ヒッピアス
花粉症研究の父、ブラックレイ・・・80種以上の花粉を収集し、そのまま、あるいは乾燥させて、さらには抽出液にして、自分の備考や軟口蓋に塗り込むともとに、結膜に点眼しら引っ掻いた皮膚にも刷り込んだ(のちにスク -
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春は何の季節?
桃、桜、新緑、せせらぎ。
いやいや、花粉症に苦しむ人にとっては、何といっても花粉の季節だろう。
気候もよくなり、外で過ごすのにぴったりな季節のはずなのに、マスクは手放せない。今年はいずれにしろ、コロナ禍でマスク姿の人も多いが、例年、春先にマスクをしていたら、それはほぼ間違いなく花粉症の人である。
目はしょぼしょぼ、鼻はずるずる。
夫婦とも花粉症なので、洗濯物も布団も、我が家はこの季節、外干しを避ける。
春の爽やかな風を思いきり吸い込みたいところだが、そうはいかないわけなのである。
さて本書。「花粉症と人類」とはなかなか壮大なタイトルである。
実際、内容も花粉症の人類史といった -
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植物生理学者の著者による、花粉症の文化史といった内容の一冊です。
医学書とは違い、花粉症に関する逸話や歴史が綴られています。
地域によって花粉症の原因となる植物は異なりますが、欧米では庶民よりも富裕層が罹る“貴族病”として扱われてきました。
かつての日本では貴族病である花粉症の罹患率が圧倒的に低かったのですが、植林政策によって晴れてスギ花粉症を大衆が手にすることになります。
大変、光栄なことですね。
著者は花粉症にも色々あって愛でることもできることを知ってほしくて執筆したようです。
花粉症患者の一人ですが、寄り添ってくれるスギ花粉を愛せるかどうか不安です。 -
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日本でスギ花粉症が叫ばれるようになったのは1980年代の記憶だったが、なんと花粉が実に長い人類史の中で人々に愛されてきた存在であったことも改めて知る。約5,6万年前のネアンデルタール人の墓から見つかったという大量の単一種の花粉粒の発見を通して、彼らが花を愛でた人たちだったと推論されることから話が始まり、人類との親しい交わりを想像させる。花粉症との闘いはギリシャ時代に既に始まっていた?!ヘロドトスに出てくるアテネのヒッピアスのクシャミと咳の記録。そして古代には奇病として記録が登場する。2世紀のアラビア語の詩。そして19世紀、英国のビクトリア王朝時代にも多くの記録が。貴族など上流階級の病気で、ステ