中山健夫のレビュー一覧
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統計上の標本抽出ではなく、全量の調査が出来るようになり、相関関係を導き出す事がしやすくはなったが、解釈をするための専門領域の知識は必要とのこと。データ解析自体にも、ドメインナレッジが必要だし、解釈においても経験なりが必要とな。
データの収集という観点での国内での課題は、レセプトデータは取れるが、医者による診断データなどはなかなか収集して知見を得られる状態になっていないと。
具体的には、以下の情報は得られているらしい。
「
そうしたデ ータの主なものとしては 、 「医療機関の診療情報 」 「保険者 (健康保険組合 、国民健康保険など )のレセプト情報 」 「薬局の調剤情報 」 「特定患者の登録情報 」の 4つがある
」
米国では、国民皆保険制度がない代わりに、保険会社がその機能を担っている分、データ収集と活用に積極的と言うのは、経済原理がリアルに働いていて、データ収集のモチベーションになっている点を理解して置かなければなるまい。
最近の国内ニュースとしては、IBM Watson が大量の癌治療論文を解析し、医者の手助けをして特殊な癌を患う患者の病名や治療法を支援したと言うものがあったが、本書で述べられている医療とビッグデータを具体的なユースケースとして世に出したのは、非常に素晴らしい事だと思える。
データの収集や分析ではなく、人類の生老病死に関わる問題を医療の側面でいかに充実させる事が出来るのか? が主題だと思うが、この領域は少子高齢化とビジネス化と言う観点で注目していきたい。 -
Posted by ブクログ
岩波の「医学的根拠とは何か」をもう少し砕いて、分かりやすくした感じ。物事を考えるときにもつべき視点や考え方、疫学を優しく説明してある。仕事や日常生活にも活かせる。
本筋はやはり第5章。合理的で正解の可能性の高い判断をするには、エビデンスに基づいて判断する必要がある反面、待ってはくれない現実に対処するためには、経験に基づいたヒューリスティックな考え方も必要になる。とはいえ結局、その裏にあるのは、経験を基礎とするセンスであり、地道に経験を積んでいくしかないんだなぁと。また、熱をいれて議論をし、目的を見失うことはやりがちなので、議論が錯綜したり、意見が対立するときには、そもそもの目的に立ち返るということを忘れずにいたい。 -
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難関大学の関係者が書く本はさすがに違うなと思わせるものはあるのだろうか。
なぜだがこの手の本は大抵書かれていることは似たり寄ったりであり本当に難関大学の頭の中をトレースできるというような本には出会えない。
書かれていることはすごくもっともであり多く参考になるのだが何か物足りなさを感じるのはなんなのか。今の世の中の思考をトレースして売れる本をつくるそんな感じにしか見えないしミスリードを生んでいるような気もしないでもないと思わせてしまうところが残念。
いろいろと書かれているが著者の思考というものはこの程度だとは思いたくない。単純な問題からは単純な答えしか出てこないのだろうか。多くの難関大学冠本には単純な問題から発展するより多くの考え方を期待したい。 -
Posted by ブクログ
著者は京都大学大学院医学研究科教授。専門は健康情報学、疫学。情報をどう判断し、何を信じて何を疑うのか。その指針を示した授業は、医療に留まらない万人に通じるものとして、高い評価を得ている。
私たちは自分の頭で考えているように見えて、案外、思い込みや誰かの情報の受け売りで済ませていることが少なくない。ときに大切な問題で怪しげな情報に引っかかってしまい、大きな後悔を残すこともある。
自分はイメージだけで物事を判断していないだろうか。
そうだとしたら、真実は何だろうか。
合理的な思考とは、そう自分に問いかけることだと捉えて問題はない。その合理的思考について以下の5章にわたり紹介している。
①イメージで物事を判断していませんか?
②それは本当に、正しい根拠?
③その数字の読み解き方、間違っています
④原因と結果のねじれ
⑤納得できる結論にたどりために
医療業界に身を置く著者。
まさしく、理系的発想の数々。
もろに文系の私にとっては難解な思考等も多くあったものの大筋では共感しながら理解をすることはできた。
そもそも論に最終的には入り込み、なぜ合理的思考をしないといけないのか?という目的を持って本書を読み終わるに至った。
物事のとらえ方はたくさんあって損はない。
事実は一つ。答えは多数。見る視点によりその答えも変わってくる。
今まで自分にない視点を授けていただいたと思えば、ありがたいものである。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ情報があふれる現代社会。流される情報にはいろいろな利害関係が複雑に絡み合って出てくるものがあり、一筋縄ではいかないことがある。ひとつの道しるべとして活用してもいいかなと思い今回の本を読んだ。
「イメージ」が先行していて本当はどうか分からないことがある。例えば、日本人の英語力の低さを証明するかのようにTOEFLというテストを引き合いに出すことが多い。TOEFLは、アメリカやカナダなどの大学と大学院受験に際して外国人受験生の英語力を測る試験で、コンピューターで受験し、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティング力を測る。
ここで問題となるのが、受験者の数だ。日本は数万人単位で受験しているので、当然高得点を取る受験生から低い点数を取る受験生までさまざまだ。これが、第3世界の限られたエリートしか受験しない国や地域になればスコアは上がる。そこから出てくる平均点の差から、日本人の英語力を一刀両断して低いとするのは疑問がある。英語学校、英語教材を発売している出版社からなる「英語ムラ」(?)の策略かと、かんぐりたくなる今日この頃だ。
情報は賛成派・反対派双方を眺めて、ふと立ち止まってみたほうが安全だ。受験と違って唯一絶対の答など存在しないのだから。マスコミは情報の編集・加工が巧みだと著者は言及している。煽るのが大好きで、それが例え誤報であっても反省一秒、忘却一生という風に涼しい顔をしているケースが見られる。典型的な例が冤罪事件だ。自分たちには不都合な真実はきれいに削り取る悪い癖がある。対抗するには、刑事コロンボを見習ってしつこく情報を追ってみるのも良い方法だ。