中山健夫のレビュー一覧
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統計上の標本抽出ではなく、全量の調査が出来るようになり、相関関係を導き出す事がしやすくはなったが、解釈をするための専門領域の知識は必要とのこと。データ解析自体にも、ドメインナレッジが必要だし、解釈においても経験なりが必要とな。
データの収集という観点での国内での課題は、レセプトデータは取れるが、医者による診断データなどはなかなか収集して知見を得られる状態になっていないと。
具体的には、以下の情報は得られているらしい。
「
そうしたデ ータの主なものとしては 、 「医療機関の診療情報 」 「保険者 (健康保険組合 、国民健康保険など )のレセプト情報 」 「薬局の調剤情報 」 「特定患者の登録 -
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岩波の「医学的根拠とは何か」をもう少し砕いて、分かりやすくした感じ。物事を考えるときにもつべき視点や考え方、疫学を優しく説明してある。仕事や日常生活にも活かせる。
本筋はやはり第5章。合理的で正解の可能性の高い判断をするには、エビデンスに基づいて判断する必要がある反面、待ってはくれない現実に対処するためには、経験に基づいたヒューリスティックな考え方も必要になる。とはいえ結局、その裏にあるのは、経験を基礎とするセンスであり、地道に経験を積んでいくしかないんだなぁと。また、熱をいれて議論をし、目的を見失うことはやりがちなので、議論が錯綜したり、意見が対立するときには、そもそもの目的に立ち返るという -
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難関大学の関係者が書く本はさすがに違うなと思わせるものはあるのだろうか。
なぜだがこの手の本は大抵書かれていることは似たり寄ったりであり本当に難関大学の頭の中をトレースできるというような本には出会えない。
書かれていることはすごくもっともであり多く参考になるのだが何か物足りなさを感じるのはなんなのか。今の世の中の思考をトレースして売れる本をつくるそんな感じにしか見えないしミスリードを生んでいるような気もしないでもないと思わせてしまうところが残念。
いろいろと書かれているが著者の思考というものはこの程度だとは思いたくない。単純な問題からは単純な答えしか出てこないのだろうか。多くの難関 -
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著者は京都大学大学院医学研究科教授。専門は健康情報学、疫学。情報をどう判断し、何を信じて何を疑うのか。その指針を示した授業は、医療に留まらない万人に通じるものとして、高い評価を得ている。
私たちは自分の頭で考えているように見えて、案外、思い込みや誰かの情報の受け売りで済ませていることが少なくない。ときに大切な問題で怪しげな情報に引っかかってしまい、大きな後悔を残すこともある。
自分はイメージだけで物事を判断していないだろうか。
そうだとしたら、真実は何だろうか。
合理的な思考とは、そう自分に問いかけることだと捉えて問題はない。その合理的思考について以下の5章にわたり紹介している。
①イメー -
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ネタバレ情報があふれる現代社会。流される情報にはいろいろな利害関係が複雑に絡み合って出てくるものがあり、一筋縄ではいかないことがある。ひとつの道しるべとして活用してもいいかなと思い今回の本を読んだ。
「イメージ」が先行していて本当はどうか分からないことがある。例えば、日本人の英語力の低さを証明するかのようにTOEFLというテストを引き合いに出すことが多い。TOEFLは、アメリカやカナダなどの大学と大学院受験に際して外国人受験生の英語力を測る試験で、コンピューターで受験し、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティング力を測る。
ここで問題となるのが、受験者の数だ。日本は数万人単位で受験