ベンクリードのレビュー一覧

  • 血の葬送曲

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    欧米作家が「鉄のカーテンの向こう側」を描いたミステリ(杉江松恋解説)であり、当方としてはM・C・クルーズ以来である。(『チャイルド44』は未読。)欧米のハードボイルド小説がいかに困難な状況を克服したかというストーリーを語ろうとも、共産主義独裁政権の恐怖政治下においては甘い話にしか感じなくなるほど、主人公の刑事と仲間たちの捜査活動は極度に制限され、心体両面でも苛酷な立場に追い込まれていく。かほどに悲惨な世界でも音楽は美しく奏でられているのだが、それすらやがて凄惨な地獄絵図に彩られていくのだった。

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    2021年08月06日
  • 血の葬送曲

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     「1951年、レニングラード」「線路に並べられた5つの死体」という帯の言葉が眼を引く。大戦後、スターリン支配下の共産国家の恐怖政治下の警察小説ということで、かなりの変わり玉だと思いつつ読んだのだが、期待通りの突然変異的な作品。どこにもないこの個性的作品に出会えたことはまさに収穫だった。

     物語に未だ尾を引くナチスドイツとのレニングラード攻防戦について、作品では少なからず触れているが、兵糧攻めに合ったレニングラードは、長期に渡る攻防の下、圧倒的な飢餓に襲われ、その後遺症は物理的にも精神的にも戦後復興に向かおうとするこの都市には、まだまだ存分に吹き荒れていた。

     スターリン指揮下の秘密警察に

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    2021年07月08日
  • 血の葬送曲

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    小説から歴史に興味を持つことはよくあるし、それが無いとこういう作品をよむのはしんどいかもしれない

    ストーリーやサスペンスの内容は面白いが、和訳の情景描写が入って来づらかった事だけが星を一つ減らした要因です



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    2021年06月06日
  • 血の葬送曲

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    1951年、スターリンの恐怖政治のレニングラードが舞台。秘密警察によって警官も逮捕されるようななかで殺人事件の捜査。粛清に怯えつつ事件を追うロッセル。何かを話すことすら憚れるような空気で捜査も進展しない。暴力と権力によって支配されている国の怖さが物語にずっと流れている。ロッセルの過去と事件とのつながりやロッセル自身の心の内の葛藤と国と個人の闘いのような先の見えないものがある。結末まで読み応えがある。続編もこの先あるみたいなのでぜひとも読みたい。

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    2021年05月26日
  • 血の葬送曲

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    ベン・クリード『血の葬送曲』角川文庫。

    クリス・リッカビーとバーニー・トンプソンの2人が合作名で描いたデビュー作。

    ソ連の歪んだ恐怖政治を背景に進行する骨太の歴史ミステリーであった。社会主義国家を維持するために国民の反対分子に常に目を光らすMGB(国家保安省)と、いつ彼らに連行されるかと怯える国民。社会主義国家には連続殺人犯は居ないという前提で物語が展開するトム・ロブ・スミスの『チャイルド44 』を彷彿とさせる。

    舞台は1951年のスターリン体制下のソヴィエト、レニングラード。凍てついた線路に並べられた5つの死体は全て歯を抜かれ、顔を剥がされるなど激しく損壊されていた。捜査にあたる人民警

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    2021年04月28日
  • 血の葬送曲

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    「線路に5人の死体」のインパクトが大きくて手に取った作品。
    歴史や音楽の教養があれば、100%楽しめたのかもと思う。知らない言葉や人物がたくさんでそのあたりは流して読んでしまったけれど、そこもこの作品の味なんだろうなぁ。

    元バイオリニストの警察官って…わくわくするw
    終盤は疾走感があるから映像化したら映えそう!(最初の現場が残酷だから難しそうだけど)

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    2024年02月03日
  • 血の葬送曲

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    スターリン時代のソ連、レニングラード(現サンクトペテルブルグ)が舞台。5名の男女が惨殺され、遺体が線路に並べられる。被害者は顔面をはぎとられ、また奇妙な衣装を着せられるなどの細工がなされていたという猟奇殺人事件。個人的に「冷戦時代もの」と「ナチスもの」は優先順位高いです。全体の雰囲気はけっこう好きかも。でも謎解きは……そうでもなかった。

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    2022年05月01日
  • 血の葬送曲

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    CL 2021.7.20-2021.7.24
    舞台は1951年スターリンの恐怖政治下のレニングラード。歴史的な背景を知らないとわかりにくい部分も多い。犯人の残虐性が半端ない。

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    2021年07月24日
  • 血の葬送曲

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    あとがきから読んで社会情勢的なの入れてから読んだ方が楽しんで読めると思う。どうしても和訳の言い回しになるから読み進めにくいところあるけど、話としては面白い。

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    2021年06月04日