バーツラフ・シュミルのレビュー一覧
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サイズという切り口で世界を見る。尺度やヒューマンスケールの問題から、生物のサイズとアロメトリー、代謝スケーリング、そしてサイズの統計(&統計のサイズ)の問題まで。中核部分は、ロングセラー、本川達雄『ゾウの時間ネズミの時間』のガリヴァー版(小人国と大人国)と言えようか。
とくに黄金比についてのページが興味深い。あれやこれや研究例を紹介しながら、最終的にネガティブな結論に落ち着いている。
著者シュミルはカナダ・マニトバ大学名誉教授。驚くのは、本書も同時発売の『Invention and Innovation』も、80歳の時の出版。Wikipediaを見ると、だいぶ個性的な先生のようだ。 -
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ネタバレ帯にビルゲイツの推薦文があって、「人々がスターウォーズの新作を待ち望むように、私は著者シュルツの新作を待つ。彼は徹底して数字を尊重し、すべてのトピックをデータで例証している。〝博識〟とはまさにシュミルのためにある言葉だ。」というので買ってしまいました。そして、確かに。何でこんなに詳しいんだと思えるほどに次から次に、それも様々な分野の数字を示し、解説する。「博識とは正にシュルツのためにある言葉だ」は本当にアグリー。テーマは「世界の人々」「世界の国々」「食」「環境」「エネルギー」「移動」「機械」。日本に対する記述も多い。改めて、日本はいい国なんだなと思ってしまった。もちろん、幸福度の高い国はほかに
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"Numbers Don't Lie"、つまり「数字は嘘つかない」ということで、7つの分野別に各テーマ数ページのコラム形式で具体的数字と科学的根拠を基に「世界の真の姿」を検証する。まあシュミル氏の見識豊かなこと。これほど幅広い分野をこういう切り口で捉えるとこういう事実になるととても刺激的。氏は経営電話を持っていないということで文明の利器と見識との相関性はそれほどないようだ。「世界の人々」の章はやや主観的かつ思想的に思うが、それもご愛嬌か。個人的お気に入りは以下トピック。
「ギザの大ピラミッドは何人でつくったのか?」
「食品ロスはグローバルな大問題」
「牛の惑星」 -
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著者はエネルギーの学際的な研究の第一人者。カナダ王立協会フェローで、2010年にはアメリカの『フォーリン・ポリシー』誌により、「世界の思想家トップ100」に選ばれ、2013年にはカナダ勲章を受勲。2015年にはエネルギー研究に対して0PEC研究賞を授与されている。
幸福度、人口問題、経済成長、食品、エネルギー、環境問題等、今我々を取り巻く課題71を取り上げ、数学を元に彼の思いを著す。
若干強引な決めつけもあるようにも思えるが、トリビア的な内容も多く、楽しんで読めた。
地球はある意味人間が支配する惑星だが、平均体重X頭数で言えば、人間に対して倍以上と言う。まさに牛の惑星だ。 -
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少し前に一世を風靡した「FACTFULNESS」を想起させる本書は、そのタイトルが示すとおり数値に重きを置いている。と言っても、「ほら数字がこういってるんだからこれが真実だ」という乱暴なものではない。むしろ、世の中にある数値というものはいかに恣意性に溢れているかを暴き、多角的に数値を見よと啓蒙しているのが本書だ。
一方で、帯にあるような「衝撃の事実」を詳らかにするという性質のものではない。そういったものを期待してしまうと肩透かしを食らう可能性がある。むしろ、我々が銀の弾丸をイノベーションに求めフィージビリティの低い投資を行っていることに一石を投じるような主張が通奏低音のように流れている。著者の -
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