NHKメルトダウン取材班のレビュー一覧

  • 福島第一原発事故の「真実」 ドキュメント編

    Posted by ブクログ

    当時は高校生。子どもながらに大変なことが起きてるのかな?と思ってはいました。大人になってFukushima50を見たときに、初めて日本が大きな危機に立たされていたことに衝撃を受けた。

    最近、小説を読もうと文庫を眺めているのですが、ふと目に触れ、改めて福島第一原発事故の『真実』を垣間見たいと思って手に取りました。

    映画やドラマでは伝えきれない、『真実』とは如何に残酷なのか、そして責任という日本人が目を背けがちな「現実」と戦った、吉田所長をはじめとする現場の皆さんに改めて感謝の想いを強くしました。
    最も大切なのは現場の命であり、それも守れないのに周辺の人の命は守れない。そんな想いを持ちながらも、死地に仲間を送り出す、命と向き合う場面がリアルに描かれた作品だと思いました。





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    2026年03月21日
  • 福島第一原発事故の「真実」 ドキュメント編

    Posted by ブクログ

    吉田所長は、津波で電源を失った時、
    メルトダウンという事態を頭に描き「もうこれは駄目かな」と覚悟を決めていた。

    中央制御室からの報告を受けて
    「もう何も見えねー、飛行機を計器もエンジンも全部消えた状態で操縦しろと言われているようなものだ」
    と思っていた。

    事故当日、原子炉の格納容器内に水があり、燃料棒の上まで満たしていると水位計は示していた。
    が、実際は水はなくメルトダウンが始まっていた。
    事故後、水位計が正しく機能していなかったことが明らかになる。

    電源喪失の恐ろしさを感じた。

    電気は常にあるのが当たり前と思っているが、停電すると酷いことになる。
    4月末にスペインで大規模停電があったが、この時稼働していた4基の原子力発電所はすぐに自動停止した。
    なぜ止めるの?と思うだろうが、原子力発電所で使う電気は外部から取り入れている。
    外部電源がなくなると、原子力発電所の制御ができなくなるのだ。

    今の世の中、電気が使えなくなると生活が破綻する。
    夜は明かりが消える。
    エアコンが使えない。
    電車が止まる。
    エレベータ・エスカレータも使えない。
    パソコンやスマホが使えない。
    インターネットが使えない。
    キャッシュレス決済ができない。
    工場で物づくりができなくなるので生活用品がなくなる。

    「ベント」は初めて聞いた言葉だった。
    圧力が増し、格納容器の損傷を防ぐために蒸気を外部に放出する。
    これを行うのは世界で初めてなので知らなくて当然。
    放射能を含む気体の外部への放出なので、最悪の事態でないと行わない。
    吉田所長は、ベントできたかどうかは分からないと言っている。

    大混乱の中、1号機の爆発に続き3号機も爆発。
    建屋は壊れていないが、白い蒸気を上げる2号機が怖かった。
    ところが、運転を停止していた4号機が爆発する。

    格納容器破裂の恐れが最も高かった2号機は運よく爆発から免れている。
    後に格納容器と配管の接続部分が高熱で溶融し隙間が生じ、そこから大量の放射性物質が放出されたという見方が出ている。
    この放射能が浪江町や飯館村などにひどい汚染をもたらしたと言われている。

    誰がどのような言動をとったのかは「真実」が明かされるが、原子炉の状態については「推測」でしかない。
    地震と津波で何が壊されどんな状態だったのかは分からない。
    放射線量が高すぎて調査ができなかったからだ。

    水が入っていると思っていたが、配管のどこかで漏れていて給水できていなかったり、
    4号機の使用済み核燃料は、爆発で冷却水が失われたと思っていたが、実際は運よく水があったり、
    温度計や気圧計も壊れて正しい値を示していなかったり、
    何も信用できない中で対応に迫られた様子がよく分かった。

    死を覚悟した作業の何が功を奏したのか、無駄だったのか、むしろ事態を悪化させる結果になったのか。
    きちんと分析できていないようだ。
    責任者と思われる人物は誰も罰せられていない。
    誰にも責任を取らせないために、事故の分析結果も曖昧にしているように思える。

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    2025年06月12日