福島第一原発事故の「真実」 ドキュメント編

福島第一原発事故の「真実」 ドキュメント編

935円 (税込)

4pt

4.8

東日本壊滅はなぜ免れたのか? 取材期間10年、1500人以上の関係者取材で浮かび上がった衝撃的な事故の真相。
他の追随を許さない圧倒的な情報量と貴重な写真資料を収録した、第一級のノンフィクションがついに文庫化。ドキュメント編は、事故発生の経過を緊張感溢れる迫真の筆致で描く

思いも寄らない真相が次々明らかに
真相1 吉田所長の英断「海水注入」はほとんど原子炉に届かなかった
真相2 1号機で唯一残された冷却装置は40年間にわたり「封印」されてきた
真相3 原子炉を救う減圧装置には、高温高圧になると動作しにくくなる弱点があった
真相4 2号機の消防注水の失敗が皮肉にもメルトダウンの進行を遅らさせて「最悪の事態」を防いだ
真相5 巨大な津波に備えて、津波対策に着手していた原発があった

東日本壊滅が避けられたのは偶然の産物だった!?
極限の危機。核の暴走を食い止めようと、吉田所長らは、爆発や被ばくの恐怖と闘いながら決死の覚悟で現場にとどまり、知恵を絞り出して、原子炉に水を入れ続けた。幸いにして、格納容器の爆発は免れた。当時の政府のシミュレーションでは、最悪の場合、福島第一原発の半径170キロ圏内がチェルノブイリ事故の強制移住基準に達し、半径250キロ圏内が、住民が移住を希望した場合には認めるべき汚染地域になるとされた。半径250キロとは、北は岩手県盛岡市、南は横浜市に至る。東京を含む東日本3000万人が退避を強いられ、これらの地域が自然放射線レベルに戻るには、数十年かかると予測されていた。
10年にわたる取材で、この最悪シナリオが回避されたのは、消防注水の失敗や格納容器のつなぎ目の隙間から圧が抜けたりといった幾つかの偶然が重なった公算が強い。この事故では、当初考えられていた事故像が新たに発見された事実や知見によって、どんでん返しのように変わった例は枚挙に暇がない。この極限の危機において、人間は核を制御できていなかった。それが「真実」である

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福島第一原発事故の「真実」 ドキュメント編 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年02月24日

    改めて読むと、これは天災ではなく人災と感じます。
    上層部にキチンと物申すことのできない東電の体質。
    無責任で、起訴された旧経営陣。
    そして、自分の思い通りにならないと、喚き散らし現場を混乱にした菅直人元総理。
    これらの人が落とし前を付けないと、無念の死で亡くなった吉田所長が浮かばれません。

    1

    Posted by ブクログ 2024年04月21日

    全電源喪失、連続する水素爆発、中央制御室と免震棟と本店。時系列で丁寧に描かれる恐怖の数日。事故直後には不明だったこと、今も不明なこと、直後に広まった俗説の誤謬等々、あまり一般的な「事実」として認識されているとは思えない事柄の多さたるや。このまま「検証編」も読まねば。

    0

    Posted by ブクログ 2024年04月09日

    総じて言えるのは、原発はひとたび危険な状態になると、内部を伺い知ることは至難の業であり、推測を重ねていくしか人間にはできないということ。
    幸運も重なり最悪の事態は回避できたものの、ここに出てきたような問題が今解決できているのかと考えると甚だ疑問。

    0

    Posted by ブクログ 2024年03月14日

    リアルタイムでニュースにも接していたし、映画、Netflixなど映像化されたものもいくつか観ていたけど、ハラハラドキドキ。そして、知られざる真実も。
    ホント、一手、間違えていたら、どんなことになっていたか…

    0

    Posted by ブクログ 2024年03月04日

     NHKメルトダウン取材班の、10年に及ぶ継続・網羅的な取材を基にした貴重写真を含む膨大な情報量‥‥圧倒的でした。これまで報道されていない事実に驚き、時系列で進む緊迫感に引き込まれ、改めて悪寒が走るような恐怖を覚えました。

     事故後10年を経て単行本が刊行され、文庫化にあたり「ドキュメント編」と「...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2024年03月28日

    これは誰もが覚えておくべき惨禍の検証記録であり、たまたま最悪の事態に進展しなかっただけだったことを明らかにしている。3月11日夜福島第一原発の全電源喪失が伝えられてから、翌日12日土曜日午後3時36分に一号機が爆発するまで、掲示板上で交わされていた危機を伝えるやり取りを思い出す。その日の夜に東京に住...続きを読む

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