関谷敦子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最初の一編が表題作「呪いのウサギ」なのですが、淡々とした語り口でどんどんと凄惨で容赦のない破滅を描き切っていて、なかなかのインパクトでちょっとばかりぎょっとしました。ただただ静かにひそやかに、いっそ詩を諳んじるかのような静々とした手つきで、グロテスクな残酷を描いていたのです。
その手管はどの短編にも発揮されていて、だからどのお話もアンハッピーに近いものばかりです。けれど、さほど後味の重さは感じないのです。なぜかと考えてみると、話それぞれの悲劇や苦痛のどれにもまったく寄り添わず、あくまで傍観者として、悲劇を遠巻きで描いているからかなと思えました。感情を描くのでなく、事象を描くことに尽くしている