皆川典久のレビュー一覧
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坂道が多い東京の地形を徹底して解説している一冊。
東京都心は、高さ30メートル程度の武蔵野台地の縁辺部に位置しており、小規模な谷や崖の地形が多い。本書ではスリバチと称されるそれらの小地形には、面白い歴史があり、建物や道路や寺社の配置から、成り立ちを学ぶことができる。
普段は地下鉄などでエリア間を移動しており、東京の地形に興味を持っておらず、「時々坂道があるなぁ」といった程度の感覚であった。しかし、一昨年から皇居の周りを走るようになって、街の起伏を体感するようになった。
坂の町といえば、街全体が大規模な起伏地形の中にある長崎や神戸をイメージするが、東京も立派な坂の町であり、小規模で複雑な谷が -
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地形は面白いなあと思うようになったのはNHKで「ブラタモリ」を放送するようになってからだ。地形にも様々なドラマがあり、今に至ると分かると興味がわいてくる。
今回の著者は2003年に設立した「東京スリバチ学会」の会長だ。平らな土地をスプーンでえぐり取ったようなU字型の特徴的な地形で「スリバチ状」と言いたくなるような谷間や窪地が東京にたくさんあると述べている。
著者は2018年の「ブラタモリ」仙台の回で、案内人をつとめ、仙台の河岸段丘地形と四ツ谷用水という伊達政宗公の時代に築かれた土木インフラを紹介した。
東京都心部に坂が多いのは、武蔵野台地の東端部にあり、皇居や銀座 -
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<目次>
第1章 スリバチ状の谷こそ、東京を知るキーワード
第2章 坂の下の街のものがたり~戸越銀座
第3章 凸凹地形が育む街の個性~赤羽
第4章 光に満ちた坂下の街~麻布十番
第5章 自由という名のもとに地形と呼応する街~自由が丘
第6章 路線バスで渋谷の凸凹地形を堪能する~渋谷・代官山
第7章 地形マニアと鉄オタの湘南モノレール乗車体験記 前編
第8章 地形マニアと鉄オタの湘南モノレール乗車体験記 後編
<内容>
東京スリバチ学会の会長がさまざまな媒体に書いた文をまとめたもの。会長はこうした徒歩旅がとてもお気に入りのようで、他の登場人物ともども、大変はしゃいでいる様子が見 -
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ネタバレ坂道学会のタモリの向こうを張るらしい、スリバチ学会(笑)
関東一円の地形全体には、興味はさほどないが、自分の住む地域の周辺にあるスリバチ地形は面白い。それにまつわる章を読むだけでも価値あった。
つまりは、以下の章;
■武蔵野台地のオアシス
1 標高50mラインのオアシス1[井の頭池・善福寺池]
2 標高50mラインのオアシス2[三宝寺池・大泉井頭池]
3 連続する谷[深大寺]
我が家の場合は、最寄りは井の頭公園だし、ランニングコースのひとつに善福寺公園もあり、あのあたりの窪んだ地形は体感としてよく分かる。
なるほど、そこは標高50mの地点なのか。 北の三宝寺池(要は石神井公園)