佐伯夕利子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
教えないスキル
ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術
小学館新書 391
著:佐伯 夕利子
良書、おもしろかった。
プロ選手の引退後の過酷な現実から、本書は始まります。
NBAの選手の60%が、現役を退いて5年以内に、自己破産するそうです。
高級車から軽自動車に乗り換えられる感覚が備わっていないと、プロとしてキャリアを積んでいくことができない。だから、プロ選手を育てるのではない。人を育てるのだと語っています。
指導者は、選手の学びを創出するファシリテーターに過ぎない。
著者は、持続可能な人材育成術といっています。
教えないスキルとは、脳科学、行動科学、心理学、教育学のエビデンスをもとに、10 -
Posted by ブクログ
教えないスキルという本題と人材育成という副題があり、ビジネススキルの本に少し寄せているのかと思いきや、サッカーの指導方法の実用的な物。
サッカーのコーチに限らず指導という言葉がはいると、教えるという事に考えが偏ってしまうが、最新のサッカー指導(育成年代)について語られている。
著者の実体験と経験が書かれているので、理論ではなく実体験として伝わってくるものがあり、押しつけがましさが無いのがよい。
サッカーだけではないかもしれないが、育成年代とのかかわりをもつ指導者と呼ばれる人には必ず読んで欲しい本。
以下印象に残った言葉の備忘
指導、教えるは主語がこちら側になっている
どこまでストイックにサッ -
Posted by ブクログ
サッカー経験のあるチームメンバーから教えてもらった本です。
言葉がアクションを生む。
アクションがパフォーマンスを産む。
パフォーマンスが習慣を生む。
(指導者が)教えないではなく、(選手が)学ぶ。
主語を履き違えない
いいねは無意味な言葉。
なぜそれがいいかを問いかけてあげることのほうが大事(どうしてその判断をしたの?というopクエスチョン→そこにfb)
アティチュード(姿勢取り組み方
アプティチュード(適正才能スキル
ビーイング(存在、ありよう)
ありようを許容して、適正スキルをサポートして、アティチュードにのみネガティブなフィードバックをする
以上が印象に残ったフレーズでした -
Posted by ブクログ
コーチングについて学びたくて手に取り、たくさんの学びが得られたのだが、主題とは違う点に激しく共感した本。エディ・ジョーンズの本と同じ事が多数書かれていたので、これが海外のスタンダードだと仮定すると、日本の教育、コーチングの時代遅れ感がすごい。外から見た「日本のここがおかしいよ」の数々の指摘に頷き、失望すると同時に、著者のような日本人女性が世界有数のサッカークラブ(男性社会)で活躍しているという事実に一筋の希望を感じた。
この国の抑圧的な教育に苦しめられた日本人の大半は、苦しむ事がデフォルトになってしまい、社会に出てもやりたくない仕事をして、日々我慢することで対価をもらって生活している気がして -
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ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術
コーチにピンマイクとカメラをつけて選手たちとのやり取りを細かく確認。
▼とにかく一周しておいで
アンラーンは難しい。
今までの自分の考え方を否定されているような感覚がする
そういうときには「一周しておいで」とコーチ同士で会話していた。
自分が大事にしている価値観を一度置いて、一周してくる。
そのなかで色々な考えに触れて、それでもいいと思ったら戻ってくればいい。
▼問いかけでフィードバック
いいね!には意味がない。
シュートを決めて、いいねと。それでは誰でも言える。
そうではなくて「いまのシュートの際にはなんで右ではなくて左に蹴ったの?」と問いかけ -
Posted by ブクログ
サクッと読めるボリューム感にも関わらず、育成における重要な本質はおさえられているため、サッカー好きはもちろん、上司や親といったあらゆる人に推せる。
自分の中に既にインストールされてるようなことが多かったり、同じような価値観だったりするけど、そこに自信を持てたり、見直そうと思わされた部分もある。
タイトルは『教えないスキル』だが、そのまま受け取れば、教えずに放置すれば、勝手に成長していくの?という単純な話でもなく(それもアリかもしれないが)、その代わりにやるべきことが示されているし、もし、子供や部下の成長を本気で願うのであれば、実行できるものばかり。
雑にまとめると、
・教えない理由は、 -
Posted by ブクログ
スペインの強豪アトリティコマドリードの女子監督をした人は、どんなふうに選手に指導するのか気になり読みました。
サッカーの指導方法が、書いてあるのかと思いましたが、どちらかというと子供の教育に関わることの記載が多くありました。
良いところ
日本の教育文化とスペインの教育文化の違いが、自分で考えて意見を言えることとの違いと言うことに気づきました。
今後に取り入れたこと
子供への質問の仕方について主語は、子供と言うことを意識し、オープンクエッションで質問する。
沈黙した場合でも焦らず、待つ。
これにより、自分がどうしたいのかを表現する場を少しでも多く作るようにしていきたいです。
これにより -
Posted by ブクログ
▼メモ
・P86:選手は結局、指導者からどんな感情にさせられたか?が一番記憶に残ると考えます。
・P94:音を立てない選手は、静かだからつい自分のなかで「彼らは問題ない」としてしまう。でもリーダーが本当にしなければいけないことは何か?と立ち返ると、答えは全員の成長支援に行きついた。
・P137:「言葉は思考をつくるから、使う言葉はきれいなほうがいい」
・P184:「佐伯さん、でも僕はね、ちょっと違う見方をしていてね」、否定するでも、承認するわけでもない。あなたがそういう考え方をしていることを僕は受け止める。ただ違う見方をしているだけだから、という話だ。
・P226:ある人は、「人前で不 -
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スペインといえば、ワールドカップで常に優勝候補に挙げられるフットボール大国であるが、その育成の手法は世界一とも言われる。何のためにフットボールに取り組んでいるのかについて、選手もコーチもスタッフも地域もスポンサーも考えている。すごい理念だ。この国で、女性初の監督にもなった佐伯さんの体験談と思想がまとまった一冊。失点も得点も誰か一人の責ではなく、そこに至る全ての要素の結果であるとの考え方。だから、11人のスタメンを鍛えるのではなく、誰が出ても等しくパフォーマンスを発揮できるようにしておくこと。それが育成である。言葉は思考を作るから、綺麗な言葉を使う方が良い、など。コーチ、先生、支援者など、人に関