エフのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレYouTubeで「Fラン大学就職チャンネル」をよく観るので、そのエフさんの著書ということで手に取りました。
ドラ◯エの世界観を思わせる舞台で、商人の主人公が弟の勇者のために旅に出る物語です。
最初の村で、銅の剣ではなく“ドラゴン殺し”のような強い武器を手に入れることを目標に旅をするという設定が面白く、道中で登場する喋るスライムが最後までとにかく可愛かったです。
スライムは最初、幼児のような二語文で話し、勉強嫌いな存在として描かれていましたが、物語の終盤では「学ぶことが面白い」と感じるまでに成長します。その心境の変化がとても印象的でした。
“教養は人生を面白くする”というメッセージが、まさに -
Posted by ブクログ
ネタバレFラン大学のエフの本。モンスターを倒す勇者、商売を支配するギルドマスター…。彼は旅に出ながら、様々な商品に出会う。宣伝して花を高く売る街、それは貧しくてすがった情弱も悪なのか、自己責任の行き過ぎ、怒りを商売にする、魔物を奴隷化する商人、ただそれはただの解放運動ではなく、取引の材料、その団体の達成の先に何が待っているのか、誰が得をするのか、それに踊らされる人、金貸し屋は悪か、時代を見間違えた商人は、互いに消耗戦の戦争、勤勉してない負け犬を害する人が批判されるべきなのか、傷の舐め合いに時間をかける怠惰たち、そして資本主義社会は成長か、格差か
…様々な現実的なこの社会の実情を皮肉をもってきた作品、我 -
Posted by ブクログ
面白かった。読み終えた途端に、人に薦めたくなった。RPGやってない人には、わからない世界観かも知れないが。
兄弟で商人に拾われた主人公が、勇者に選ばれた弟のために、強い装備を仕入れたいと思うところから話は始まる。
オランダのチューリップバブルの話あり、プランテーションの農奴の話あり、アヘン戦争と死の商人の話ありと、現実の世界の経済史とリンクしていて、その背景や商人の考えまで、わかりやすく物語の中に組み込まれている。わかる、私にも経済学の原理がわかるぞ!
本屋でレジに持っていったら、『金融義賊』を薦められた。単行本だが、買ってみようと思う。 -
Posted by ブクログ
ドット絵の表紙に興味を持って手にした本。
いかにもゲーム(RPG)好きをターゲットに
した雰囲気ですが、とんだ化けの皮でした。
皮の下にいたのは、現代社会の風刺、暗喩によって世の中の仕組みを明かす経済小説。
「なぜ銅の剣までしか売らないのか」
より強力な装備を売れば、勇者一行の
魔王討伐の成功率は上がるのに…。
そんな疑問を抱く見習い商人マルに対して、
明確な理由は伏せつつ、それはできないと
答える店主。
有耶無耶にされる状況にに辟易したマルは
半ば強引に旅へ出るのですが、道中立ち寄る 街での経験を通じて世界を知る…。という話。
聡い方 -
Posted by ブクログ
上級国民への憎しみ、嫉妬心、嫌悪。
なんとなく抱いていたこれらの感情の理由をはっきりと言語化してくれてる。
たしかにそうだ。
その通りだ。
何もかもが‘たまたま’揃ってただけの家に生まれただけで、なぜこうも違うのか。
人間は誰しも平等じゃないし、それを受け入れて自分の手の届く範囲でみんな頑張ってるけども、
下の人間が垣根を超えて上に牙を向く。
そのために11年もの短くない時間を上級国民からの信頼構築に費やし、物語後半で一気にお金を巻き上げる。
その姿には「いけーー!」と応援したくなるものがあった。ってか応援してた。
ところどころ、メモとか取ったり、線を引きたくなる教養の部分あった