鈴木エイトのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
2022年7月8日、安倍晋三元首相が参院選の応援
演説中に銃撃を受け、凶弾に倒れました。
その犯人は旧統一教会への恨みから、その教団の
「最も影響のあるシンパ」であることを理由に安
倍氏を標的にしたと、動機を明らかにしています。
そこからは各メディアは自民党議員が旧統一教会
とズブズブの関係であったことを報道しはじめま
した。
あまりの関係の深さに驚いた国民も多いのではな
いでしょうか。
なぜ特定の宗教団体との繋がりが今まで表に出て
こなかったのが不思議です。
しかしこの本の著者であるジャーナリストの鈴木
エイト氏が地道に追っかけたことによって、真実
が白日の元にさらけ出されたと言っていいです。
TV報道の元ネタは、ほぼ鈴木氏の取材によるも
もであることも本書から伺えます。
それら一連の内容が本書に綴られており、臨界点
に達したのが銃撃事件なのです。
ではなぜ犯人の恨みが臨界点に達したのか。
この本を読めば、自民党が「いいとこどり」をし
ていたのがよく分かります。
選挙では旧統一教会を利用するだけ利用して、公
にはその関係性は認めようとしない。その末路だ
と言えます。
政治家に求めるものを、今一度全国民が考え直す
きっかけとなって欲しい一冊です。 -
Posted by ブクログ
いつ、誰が、どこで、何をしたか、この本は基本的にそれだけが大量に書いてある。
だから特に面白いわけでないかもしれない。
しかし、すごい!凄すぎる!!
まだまだ追求の途中。そのたたき台のような本である。
まずは岸田文雄、そして菅義偉と統一教会の関係が明るみに出るまで世間は感心を持っていて欲しい。
鈴木エイトさんがいつも言っていることがエピローグに書いてある。
「…信者を私利私欲のために使い捨てにする政治家は更に問題視されるべきだ。
…政治家の問題を追求するモチベーションは此処にある。」
この視点にとても賛同するし、この視点を忘れずに今後もこの問題、いや、政治自体を見ていきたいと思います。 -
Posted by ブクログ
安倍元首相は、憲法改正を初めとする、己の政治目的、政治的野心の実現のために、己の政治基盤を盤石なものにするため、2012年第2次安倍内閣発足時に禁断の札を切った。それが統一教会との癒着の始まりだ。一読して思ったのは、祖父岸伸介、父安倍晋太郎の統一教会とのつながりは、反共産主義という、まがりなにりも政治的な理念を感じるものであるのに対し、2012年からの安倍晋三のそれには極めて安直で軽薄な姿勢を感じる。統一教会に同情も共感もしないが、信者たちの信仰などにほとんど興味もなく、ただで選挙協力をしてくれる便利な駒程度にしか考えてなかったのではないだろうか。なぜなら元首相のお墨付きを得て統一教会に協力を仰いだ主に自民党議員たちの態度にそのようなC調さを感じるからだ。親分がそうだから子分も同様、ちょっと講演をしたり祝辞を送ってやるだけで無償で選挙や政治活動に協力してくれる便利屋、その程度の認識だったのではないだろうか。それは岸田総理が当該団体との関係を、あっさりと「問題のある団体」との「不適切な関係」と断じた態度にも表れる。当の統一教会の関係者はこういう手のひら返しな態度にどういう感情を持っただろう。せいぜいが日本で10万人の信者数しかない統一教会が自民党の閣僚中枢部にピンポイントで接触したとはいえ、本気で自民党を乗っ取るようなことは現実味がないと思う。WINWINの関係ではあるが圧倒的に政治家側優位な関係であったように思う。統一教会が問題のある反社会的な団体であることは間違いないことだが、そうと知ったうえである意味純粋な信仰心で自分たちの信義や理想の実現のために真剣に取り組んだ末端の信者たちを利用しなけりゃ損とばかりに軽い気持ちで使役し、全国弁連が正式に議員たちに付き合いを断つよう勧告したのを無視し続け、彼らの犯罪行為に結果としてお墨付きを与え、結果として多くの被害者を生み出し続けたたことに一役買った議員たちの浅ましさにはより醜いものを感じる。本著は世間がほとんど関心を向けてこなかった、安倍第2次内閣からの政治家と統一教会とのふしだらな関係に唯一注目し、丹念に根気強くまさに3000日取材を重ねた労作で、山上容疑者の元首相暗殺事件が起きてようやく世間が気づいたこの異常な状況を一人地道に追っていった記録であり、もし著者がこの取材をしてこなければ、それこそ安倍晋三に対し「民主主義への冒涜と戦って散った名君」のような間違った歴史認識で元首相が語られることになったかもしれないのだ。そう考えると心底恐ろしい。
-
Posted by ブクログ
安倍晋三元総理を襲撃した山上徹也被告の裁判と面会内容を丁寧に綴ったノンフィクション。被告人の供述からは釈然としない犯行動機について、納得感のある解釈が提示されており、「私にだけ明かした謎の核心」というサブタイトルは単なる釣り広告ではない。
殺人そのものは犯罪であり、その行為を肯定するつもりはないが、そもそも家族を崩壊させる宗教は存在意義があるのだろうかという疑問や、被告人の生い立ち、政治と宗教の関係に切り込めない社会構造などを鑑みると、無期懲役ではなく情状酌量の余地はあるのではと思った。
大阪高裁に控訴したようで、その後の裁判の行方が気になる。 -
Posted by ブクログ
2022年7月8日、近鉄大和西大寺駅前で選挙応援演説中の安倍元首相は山上徹也氏による襲撃で命を落としました。この事件の犯人であった山上氏の裁判の経緯を追い、この事件の背景を踏まえつつ山上氏の犯行動機に迫るノンフィクションです。
山上氏の母親が統一教会におびただしい額の献金をしていたことから、著名政治家の命を奪った事に対する罪状に対し、宗教2世の過酷な環境をどの程度酌量するのかが裁判の争点になりました。この裁判についてはかなりの量の報道がありましたが、膨大な量の山上氏の発言の一部を切り取って報道するケースが多いと感じていました。本書の著者はカルト宗教問題について長く取材を続けており、より中立的な立場からこの裁判を捕らえているのではないかと期待し、本書を手に取ってみました。
判決内容は「不遇な生い立ちは人の命を奪う罪に対して酌量する余地はない」というもので、無期刑が言い渡されました。この判決に対し、「かわいそうな奴だから罪を軽くしてやってくれ、などという理屈ではなく、カルトの被害者が重大事件加害者となる背景をより考慮すべきではないか」という弁護側の主張に著者は寄り添いつつ山上氏の真意を掴もうとしています。
そして、「安倍元総理が亡くならなければならなかったのは間違いだった」この山上氏の発言に隠された真意に本書最終盤で著者が近づいていく様子は、本書を詠む前の期待感を裏切らない内容でした。 -
Posted by ブクログ
「深淵をのぞくとき、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」
──フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ
非常にセンシティブなテーマ。現在公判中の山上徹也氏に対して、『統一教会と政治の歪んだ関係性』に対して追求してきたジャーナリストの鈴木エイト氏が迫った著書。
勿論、本書だけを鵜呑みにするわけでもなければ、メディアを鵜呑みにするわけでも無い。だけど、色んな立ち位置の意見を見聞きする事で多角的な知見が生まれてくる。
僕はこの本を読んで何を思うかは、ここでは語りません。テーマがテーマですし。ですが、思うところはすごく多かった。
端的なまとめになりますが、僕は本書を読んで良かったなと思いました。引き続き、公判の様子を気にして行きたいなと思います。
・
・
・
・
・
安倍元首相暗殺から1年、統一教会と政界、そして山上徹也容疑者の実像を追い続けた著者だから書ける事件の深層とは。
山上はなぜ接見に応じないのか/「なかったことにしたい」勢力/山上に送った四通の手紙/宗教2世との微妙な距離感/統一教会・政治家・メディアの恥ずべき関係性/狙いは本当にテロだったのか/私の責任について/山上からの「回答」/被害者と加害者
(主な内容)
序 章 風化する「統一教会問題」と「なかったことにしたい」勢力
第一章 山上徹也と安倍晋三、鈴木エイトをつなぐ「奇妙な縁」
第二章 銃撃事件後、逮捕された山上が供述した「恨み」
第三章 鑑定留置中の山上徹也に送った手紙
第四章 事件の約一週間前に山上徹也から届いていたメッセージ(前編)
第五章 山上徹也に複雑な思いを抱く「宗教2世」たち
第六章 事件の約一週間前に山上徹也から届いていたメッセージ(後編)
第七章 山上徹也が抱えていた「マグマのような憤り」の正体
第八章 山上徹也は事件前からSOSを発していた
第九章 山上徹也が見た「絶望」の正体
第十章 「統一教会の被害を食い止めた」ために罪が重くなる可能性