マシュー・クワークのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
冒険小説の時代は終焉したのだと、嫌でも感じさせられる現在のエンタメ小説界で、少数ながら頑張っている作家たちは今も確かにいるのだけれど、かつてのスパイもの、国際謀略ものといった国家レベルの大スケールのものは少なく、巨大犯罪組織とりわけ南米の麻薬ビジネスや、暴力的宗教団体などをテーマにしたスリラーがトレンドになっている気がする。
本書は、そういう意味では昔懐かしい米露間の諜報合戦や、国家的裏切り行為を扱った少し古典的な冒険小説と言える気がする。政府中枢部内での汚職かつスパイ行為に巻き込まれ、知られざる危機に見舞われるホワイトハウスを舞台に、深夜番の若きエージェントが奔走するという、いわゆる今 -
Posted by ブクログ
FBI局員ピーターはホワイトハウスの危機管理室で緊急電話を取り次ぐ深夜番。284日で入電は1度だけ。誰が何のためにかけてくるのかも知らされていない。そんなある晩、取り乱した若い女から電話がかかってくる。「赤の台帳、オスプレイ、6日後」という暗号めいた伝言とこの番号を彼女に託した伯父夫妻は、同夜何者かに殺害されていた。その日からピーターは国家レベルの陰謀に巻き込まれていき―。
著者の作品はThe 500を読んで以来だが、翻訳されたのもこれで二作目のようだ。素人がここまで行動できるのか、という疑問はさておき、なかなかのページターナーではありました。 -
Posted by ブクログ
マシュー・クワーク『ナイト・エージェント』ハーパーBOOKS。
あのマイクル・コナリー絶賛の国際謀略ミステリー。主人公が特段、超人的な大活躍を見せる訳でもなく、描かれる国家レベルの陰謀もスケールは小さく、がっかりした。結末もスッキリせず、またまたマイクル・コナリー絶賛に騙されてしまった。
念願かなってFBIの局員となったピーター・サザーランドに任されたのはホワイトハウスの危機管理室で緊急電話を取り次ぐナイトシフトを担当する。1年余りのうちに緊急電話が鳴ったのは、たった1度だけ。
ある晩、若い女性から緊急電話があり、暗号めいた言葉が伝えられる。電話の内容が気になったピーターは業務を逸脱し、