ガード・スヴェンのレビュー一覧

  • 最後の巡礼者 下

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    話は長いし捜査も全然進んでる気配ないし、主人公の恋愛事象の描写は必要か?とか思いながらも次々に明るみになる真相に目が離せなくなって。最終的な結末も予想外だったし、決して後味のいい結末ではないものの、それでもとにかく面白かった。
    しかも著者はこれが処女作らしいし、北欧のミステリ賞3冠も納得。次の作品も期待したいです。

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    2025年12月05日
  • 最後の巡礼者 下

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    第二次大戦、ドイツに占領されたデンマークとノルウェー、微妙な中立を保ったスェーデン、たったひとりで侵入者であるソ連に抗戦したフィンランド
    北欧諸国はヨーロッパ強国の趨勢に左右される。

    凄惨な殺人事件と、埋められていた三体の白骨死体から始まり、並行して語られる第2次世界大戦前後の物語が、次第に交差していく。
    二つの時代の出来事が1ページごとに繰り広げられる描写は、圧巻。

    オスロ警察本部所属刑事の主人公トミー・ハーグマンは、北欧ミステリーの主人公刑事として定石どおり私生活ではダメ人間、でも捜査には妥協がない。

    警察小説ではあるも、第二次大戦下のスカンディナヴィア半島での双方の諜報活動の様子は、ミステリーであることを忘れてのめりこんでしまった。

    あっという間の上下巻でした。

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    2022年11月21日
  • 最後の巡礼者 下

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     ノルウェイのミステリーといえばジョー・ネスポとサムエル・ビョルクくらいしか読んでいない気がするが、本書は「ガラスの鍵賞」他、北欧ミステリーで三冠を挙げた警察小説であるらしい。それも本邦初訳となる作家。それにしてもぐいぐい読める本とは、こういう作品のことを言うのだろう。

     2003年の猟奇的殺人事件を捜査するオスロ警察のトミー・バークマン刑事。1945年戦後に起こるミステリアスな殺人。1939年に始まるイギリス籍ノルウェー人女性アグネス・ガーナーによるスパイ活動の物語。これらが、場面と時代を変えて語られてゆく。最初はわかりにくいジグソーパズルの断片に見えるものが、次第に一枚の絵を完成させてゆく、そのストーリーテリングが何と言っても素晴らしい。

     特に、バークマンとガーナーという二人の異なる時代の男女主人公が、それぞれの物語を紡いでゆく話法にはがつんとやられます。この辺りから、物語の加速感が半端ではなくなる。

     最後には二つの世界がやがて一つになり、現在の殺人事件の真相に繋がってゆくという構成である。ある意味で北欧圏に戦後を生きた人々にとっては、このような戦後処理とそのどさくさにまぎれた犯罪とは、王道とも言える主題の一つなのではないだろうか。

     これが作者デビュー作というが、相当な手練れとしか思えない小説作法ぶりである。ナチのヨーロッパ侵攻。これに対抗する英国との狭間にあって、屈した国、屈する間際だった国。それぞれがそれぞれの形で第二次大戦の洗礼を浴びたのだ。その光と影の中で生きた人間たちが、寿命を迎えようとするそんな現代。埋没した時代の証言者たちにとっては最終機会と言えそうな、そんな現代に。

     ナチ党員だった者、そうでなかった者の、隠れた闘争が引き金となり、その渦中にあって恐ろしいばかりのスパイ活動に身を投じたガーナーの苦しみ。その周囲で政治的、あるいは経済的理由で起こったいくつかの殺人とその犠牲者たち。現在に起こった冒頭の猟奇殺人の画面の裏で、フラッシュバックさせながら読者は様々な時代の断片を見せられる。

     徐々に明かされる真実のめくるめく多重構造には驚かされる。それ程、ミステリとその背後の迷宮地図が精巧に構築されているということである。それでいて人間的な強さも弱さも曝け出された、現在のヒーローと過去に生きたヒロインとは、感情を引き毟られるほどにスリリングで危うい。二人の物語が交錯する最終インパクトへのスリリングな疾走感は早朝にエネルギッシュである。つまり、ぐいぐい読めるのだ。

     ツイストにツイストを連ねるサスペンス。歴史の厚みと闇の暗さをすべて重ねつつ、迎える大団円。予想外の真実。秀作である。

     刑事バークマンのシリーズは既に四作までが刊行されているそうである。続編翻訳が大いに期待される作家が、また一人。

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    2021年02月24日
  • 最後の巡礼者 上

    Posted by ブクログ

     ノルウェイのミステリーといえばジョー・ネスポとサムエル・ビョルクくらいしか読んでいない気がするが、本書は「ガラスの鍵賞」他、北欧ミステリーで三冠を挙げた警察小説であるらしい。それも本邦初訳となる作家。それにしてもぐいぐい読める本とは、こういう作品のことを言うのだろう。

     2003年の猟奇的殺人事件を捜査するオスロ警察のトミー・バークマン刑事。1945年戦後に起こるミステリアスな殺人。1939年に始まるイギリス籍ノルウェー人女性アグネス・ガーナーによるスパイ活動の物語。これらが、場面と時代を変えて語られてゆく。最初はわかりにくいジグソーパズルの断片に見えるものが、次第に一枚の絵を完成させてゆく、そのストーリーテリングが何と言っても素晴らしい。

     特に、バークマンとガーナーという二人の異なる時代の男女主人公が、それぞれの物語を紡いでゆく話法にはがつんとやられます。この辺りから、物語の加速感が半端ではなくなる。

     最後には二つの世界がやがて一つになり、現在の殺人事件の真相に繋がってゆくという構成である。ある意味で北欧圏に戦後を生きた人々にとっては、このような戦後処理とそのどさくさにまぎれた犯罪とは、王道とも言える主題の一つなのではないだろうか。

     これが作者デビュー作というが、相当な手練れとしか思えない小説作法ぶりである。ナチのヨーロッパ侵攻。これに対抗する英国との狭間にあって、屈した国、屈する間際だった国。それぞれがそれぞれの形で第二次大戦の洗礼を浴びたのだ。その光と影の中で生きた人間たちが、寿命を迎えようとするそんな現代。埋没した時代の証言者たちにとっては最終機会と言えそうな、そんな現代に。

     ナチ党員だった者、そうでなかった者の、隠れた闘争が引き金となり、その渦中にあって恐ろしいばかりのスパイ活動に身を投じたガーナーの苦しみ。その周囲で政治的、あるいは経済的理由で起こったいくつかの殺人とその犠牲者たち。現在に起こった冒頭の猟奇殺人の画面の裏で、フラッシュバックさせながら読者は様々な時代の断片を見せられる。

     徐々に明かされる真実のめくるめく多重構造には驚かされる。それ程、ミステリとその背後の迷宮地図が精巧に構築されているということである。それでいて人間的な強さも弱さも曝け出された、現在のヒーローと過去に生きたヒロインとは、感情を引き毟られるほどにスリリングで危うい。二人の物語が交錯する最終インパクトへのスリリングな疾走感は早朝にエネルギッシュである。つまり、ぐいぐい読めるのだ。

     ツイストにツイストを連ねるサスペンス。歴史の厚みと闇の暗さをすべて重ねつつ、迎える大団円。予想外の真実。秀作である。

     刑事バークマンのシリーズは既に四作までが刊行されているそうである。続編翻訳が大いに期待される作家が、また一人。

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    2021年02月24日
  • 最後の巡礼者 下

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    これが著者のデビュー作と聞いて驚いた。
    北欧ミステリーではナチスの話がよく出てくるが、これは特に面白く読めた。
    現代と過去の話を交互に描きながら話が進んでいくのだが、途中混乱することもなく話に入り込めた。
    バークマン刑事の過去や今後が気になるところ。続編が楽しみ。

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    2021年03月03日
  • 最後の巡礼者 下

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    過去と現在の事件がつながり、事件の様相は最後の最後まで変転する。
    どこまでもスパイ小説と警察小説のハイブリッドだった。

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    2021年01月17日
  • 最後の巡礼者 上

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    ノルウェーとスウェーデンの微妙な関係は、知っていなかっただけに、そうなんだねと納得してしまう。

    2つの時代を行ったり来たりして、過去の事件と現在の事件が並行して描かれる。そのうち、つながるのだろうと思うけれど、登場人物も多く、位置関係も確認しながらで、最初は読み進めるのが遅くなったが、読み進めるにつれて、
    面白くなってきた。

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    2021年01月17日
  • 最後の巡礼者 上

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    なかなか状況の理解が追いつかずに読み進めるのに時間が掛かった前半だったけれど、現代と過去の繋がりがちょっと見えてきたあたりから俄然続きが気になって読むスピードも上がりました。
    最後も絶妙な場面で終わっていて、下巻も楽しみです。

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    2025年12月03日
  • 最後の巡礼者 上

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     ノルウェーというあまりなじみない国の物語。現代である2003年に森で昔々の死体が発見される。そして物語はそれと並行して、1942年の第二次政界大戦のさなかに起きた殺人事件も進んでいく。60年も前の事件が関係しているとすれば、それを解き明かすことができるのか。登場人物が多くて混乱しやすい。そして何よりも、第二次世界大戦のときにノルウェーとドイツナチスとの関係をある程度知っていないと物語の把握は難しいように思う。はらはらとしてどんどんと読み進めることができる、とい本ではなかった。

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    2023年08月08日
  • 最後の巡礼者 下

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    この小説、ノルウェー、北欧で、有名な賞を3つも取った、とあったので読んでみた。警察物で、ミステリーの要素がありながらのサスペンス小説。上巻を読み終わった後、ちょっと時間を置いて下巻を読み始めた。時間を置いたのは、私だけかもしれないが、読み辛くて疲れると思ったから。こういったカタカナが頻繁に出てくる外国の小説は、人名も地名も馴染みが無い上、その国の人なら知っている、或いは知らなくても何となく分かるであろう地理的な事や歴史、文化、そして習慣などが、私にはよく分からない事の方が多い。そう言った読み辛さはあるものの、小説自体は結構面白く読ませてもらった。話は、2003年の主人公であるバーグマンの行動と1943年のヒロインであるアグネスの行動とが交互に書かれていく。最初は2003年のノルウェー、オスロで起こった残虐な殺人事件の現場発見から始まる。2003年の主人公バーグマン刑事は優秀とは言えないまでも、仕事に逃げている感はあるが(過去に犯した過ちが、妻にしてしまったDV。その事実から)事件を、あらゆる角度から徹底的に調査、推理し真相に迫っていく。一方1943年のヒロイン、アグネスは愛する男のため、自分の信条信念のため、レジスタンスに身を置き、スパイとしてナチス、ゲシュタポの要人たちの中に入り、ナチスに協力的な富豪の愛人となる。このストーリーの流れ、展開、登場人物の心情と行動は適度の緊張感があり、また焦燥感にも駆られ、取っ付きにくい処はあるが面白く読める。バーグマンは、別の角度から見れば魅力的な男に、アグネスは誰でもが愛人にしたくなるような美人に描かれている。カタカナが苦手でない人なら、もっと面白く読めるのではないだろうかと思う。

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    2023年05月04日
  • 最後の巡礼者 下

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    過去編は組織の思惑に翻弄されるアグネスと彼女を巡る男達の命運、現代編はバーグマンとヴァルトホルストの対峙など見所も多く、捜査の過程を丹念に描く警察小説の面白さ、そして蓋を開けたら意外とオーソドックスな筋書きも相まって、十分読ませる作品ではあったが、如何せん人間ドラマの書き込みが浅く、真相が明かされる終盤がいまいち盛り上がらず、上巻で積み上げた重厚感が薄れてしまった。犯人が敢えてヒントを差し出す動機にも説得力のある理由付けが欲しいところ。ピルグリムの心変わりをしっかり描いていたら印象はまた違ったのだけれど。

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    2023年01月04日
  • 最後の巡礼者 上

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    <ガラスの鍵賞>を含む北欧のミステリー賞三冠に輝いた作品で、ノルウェー人作家としては初の快挙らしい。大戦の英雄が惨殺された事件を追う現代編と大戦下の諜報活動を描く過去編が交互に展開する警察小説とスパイ小説の合体作品といった趣。読者が戦時中の諾独瑞英の関係性について当然予備知識がある前提で話が進むので、読み進めるのに少々骨が折れた。過去編の語り手・アグネスが諜報員を志した経緯が些か不明瞭で、今ひとつ乗り切れない部分もあるが、惨殺事件の動機には戦時下における複雑な事情が絡んでいそうで、続きが気になる。下巻へ。

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    2023年01月04日
  • 最後の巡礼者 上

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    時系列が過去と現代を行ったり来たりで
    最初 ちょっと読みにくい
    けど そこをクリアすれば おもしろくなってくる
    まだまだ 謎だらけ 下巻へ

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    2022年04月02日
  • 最後の巡礼者 下

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    スリリングな過去の展開に比べてイマの事件を追うバーグマンにイマイチ惹かれなかった。約40年前の事件との結びつきも関係者が死亡していたり名前を変えていたりで、ミステリーとしてもしっくりこなかった。

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    2020年11月28日
  • 最後の巡礼者 上

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    現代と過去を遡ってていくミステリー。アグネスの場面は、ハラハラし通しでそれだけでも独立した本が成り立つと思った。

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    2020年11月28日
  • 最後の巡礼者 上

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    二〇〇三年六月八日、第二次世界大戦の英雄カール・オスカー・クローグの死体が自宅で発見された。ノルウェー貿易相まで登り詰めた老人は鳥のくちばしにつつかれたように切り刻まれ、犯人に強い殺意があったのは明らかだ。だが、手掛かりは凶器―ナチスの鉤十字が刻まれたナイフしかない。警察本部では犯人像を見いだせず、捜査は行き詰まってしまう。そんな中、トミー・バーグマン刑事は二週間前に発見された三体の白骨死体との関連性を見出す。戦時中に殺された三人は、親ナチ派のノルウェー人実業家グスタフ・ランテの娘のセシリア、婚約者のアグネス・ガーナーとメイドだった。彼女たちはグスタフの近親者ゆえにグローグらレジスタンスの標的にされ、粛清された三人の縁者が復讐のためにクローグを殺した。そう推理したバーグマンは、六十余年前の事件の真相に挑む決意を固める。一九三九年八月二十四日、アグネス・ガーナーは自らの手で愛犬を殺した。それがイギリス諜報部の最後の試験だったからだ。どうしてこんなことができるのか、自分でもわからない。確かなことは、ナチスを倒さねばならないということだけだ。その決意を胸にアグネスは故郷ノルウェーへ帰還する。人生を狂わせる運命の出会いが待ち構えていることも知らずに…。

    警察小説とスパイ小説のハイブリッド。面白いはずなのに、読むペースが一向に上がらない。とにかく下巻に続く。

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    2020年11月23日