伊波真人のレビュー一覧

  • 青春迷宮

    Posted by ブクログ

    短歌・伊波真人さん、イラスト・丸紅茜さんが紡ぐ青春の迷宮。
    もー、おばちゃん、きゅんきゅんしちゃう。

    あの白く無機質なコンクリートの箱の底(校舎)には、いったいどれくらいの、伝えられなかった思いが沈殿しているのでしょうね。

    お互いを思いながらも、いや、思うからこそ、言い出せない。

    出会って、仲良くなって、特別な人になって。

    あー、いいなあ。

    この歌集はそのふたりの最後の?一年間を描いている。

    *

    〈星座にはなれないほどに離れてるきみの机と僕の机は〉

    〈体育が終わったあとの教室をシーブリーズの舟が行きかう〉

    〈野球部が空に放った白球は流星になるわけではなくて〉

    〈つい君をさがしてしまう日直の二文字の下の空白にさえ〉

    〈学祭の季節を告げる虫のようガムテープ切る音は響いて〉

    〈売れ残りの焼きそばよりも焼けている校舎裏からみたゆうやけは〉

    *

    「恋愛は別に成就しなくていい」のだけれども、

    その言葉を信じるかどうかは、

    君次第。




    0
    2024年09月06日
  • 青春迷宮

    Posted by ブクログ

    とても良い。あの日々の中で見ていた風景が切に浮かび上がってくる。短く感じるけどずっと振り返っていられる。31文字は青春と同じ。

    0
    2021年12月26日
  • 青春迷宮

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    僕と君の、付かず離れずな感じ。
    青春真っ只中だ~。
    伊波真人さんの瑞々しい短歌と、丸紅茜さんのポップなイラストのコラボレーションが素敵。
    挿絵のある歌集、ではなく、まるでイラストの一部のように配置された短歌が効果的。

    舞台は公立高校。
    季節は夏から始まり、卒業の春まで。
    歌われてゆくのは、暁彦の気持ちであり、沙織の気持ちでもあり。。。いつかの私たちの気持ちでもあるような気がする。
    暁彦が見つめているのは、星と、同じ天文部の沙織だ。
    沙織もまた同じように暁彦を意識している。
    でも、何も始まらない。
    始まらなくても、星々のキラキラと青春のキラキラが相まって、美しく爽やかだ。
    歌われる心情たちは私には懐かしいもので、その懐かしさもキラキラしていた。

    「星座にはなれないほどに離れてるきみの机とぼくの机は」

    「走ってはダメな廊下を夏風が駆けぬけたのを誰も見てない」

    「数学の記号が魚に見えてきて教室という海へと放つ」

    「でたらめな星の名前を言いあった伝えられないことの代わりに」

    「アルファルドが心臓ならば学ランのボタンはどんな星座だろうか」

    「あなたとの残りの時間を測るようオリオンは砂をこぼしつづける」

    「退屈な風景だった教室の影を濃くする三月の窓」

    0
    2024年11月07日