福和伸夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
南海トラフ巨大地震が来ると言われ続けている東海地方だが、周囲にいる同年代に防災対策の話をしても、我がこと、として受け止めていない人が多い。
歴史を振り返り、最悪の事態と向き合うことで、我がこととして初めて受け止められる。人はネガティブな事実の方が感情が動かされやすいので、平和な世に馴染んでしまっている若い世代に、本書をぜひ読んでほしい。
震災が起きることは確かに恐ろしいが、そのたびに不屈の精神で立ち上がってきた日本の歴史がある。
余裕がなくとも、1人1人が、隣近所や近しい人だけでも助けようと思い、他者を思いやる気持ちがあれば、乗り切れると信じている。 -
Posted by ブクログ
ある程度科学的。
リスク管理を論じる本かとおもったら、リスク(マネジメントの多少となるようなイメージ)ではなく、カラストロフィだと訴えている。
すなわち、「起こるかどうかわからない、確率論的なもの」というわけではなく、「必ず起こるもの」という解釈なので、「備えるべきかどうかの判断(合意形成)」ではなく、「世代間倫理」の問題なのかもしれないと思った。
とはいえ、福和自身、(地震時には)危険なエレベーターを、疲れるので上りは使うが下りは避けるという風に、「どこまで熱心に備えるか」のバランス感覚はやはりあるべき。
その意味で、次に読みたいと思っている、キャスサンティーン『最悪のシナリオ』は楽しみ。 -
Posted by ブクログ
震災について、雑多な話題をエッセイ風に述べたもの。分かりやすく地震のメカニズムや震災対策の課題などがまとめられている。
が、基本中の基本のことばかりなので、詳しい人には物足りない。
この本にも言及されているが耐震診断の地域係数の問題点についてはもっと広く知られてほしい。同じ大きさの地震が起きればどこの場所でも同じような被害になるのに、なぜか沖縄や九州は地域係数のおかげでより簡易な対策で許されている。自分これは知ったときからずーっとおかしいと言い続けている。
残念ながら科学的にまったく根拠の無いこの係数のせいで、案の定熊本地震では対策不十分な公共施設が倒壊し、被害が拡大したのだ。
この地域係数 -
Posted by ブクログ
前著以来2019年までの間の事象や話題でアップデートされたネタはちりばめられているものの、基本的には、一冊目の焼き直しが多い。既にどこかできいたような内容がほとんど。
また、企業や行政の内情批判の態度に満ちているのが不快。
しかも本書の全体でのストーリー性(ロジック、流れ)は感じられず、粗雑な新書みたいな印象。
以前きいたことがあるように、「脅迫的な教育は、教室をでたら忘却される」というようなことも思い出す。
要は、ぐっとこないのである。しかし、この違和感を、仕事にいかさなくては。
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以下、そうはいってもいくつか頭に残ったトピック。
・自主避難は知人・親戚宅へ(p44)
・地震時の