川西剛史のレビュー一覧
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マッキンゼーが読み解く食と農の未来
著:アンドレ・アンドニアン・,川西 剛史・山田 唯人
世界の農業が大きく変わりつつある中、日本国内の農業に関する論調の多くは、国内の農業組織への批判や、既存の農業のやり方、国内企業への批評といった「内向きの議論」に費やされている。
本書は、そうした内向きの枠を飛び越えて、日本農業をマッキンゼーならではの「グローバルの視点」「他業界の視点」という2つの視点から捉え、そこから進むべき将来像および今後期待されるビジネス領域について展望している。
構成は以下の10章から成る。
①農業を取り巻くマクロエコノミクスの変化
②農業の未来を変える技術革新
③政策・規制 -
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現在までと将来の食糧の消費傾向、そして栽培から消費までの周りのテクノロジーを中心とした企業の関わり方が参考になる本。
マッキンゼーの本らしく、とても簡潔にまとまっていて読みやすいし、課題点がシンプルに伝わる。
個人的には鶏肉の消費量が増えてきていること、外交が農業に影響を大きく与えている点(価格差がすくなく、関税で順番が変わる)が一章では記憶に残った。
2章では肥料の減退傾向、コネクトアンドオーケストラの存在の不足(商社がなりうる)、さまざまな現在使われているテクノロジーの紹介が印象的で、想像していた以上に関わり方があるなと感じた。
面白かったし、他の本を読んで食の傾向やアグテックへの理解 -
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1.最近、日本の農業について考える機会が多く、討論する機会が増えてきたため、しっかりと自分の意見を持つために購入しました。
2.現代の農業は転換期を迎えており、日本の農業は外国と比べて出遅れている印象があります。その差を埋めるべく、マッキンゼーのコンサルタントが説いた日本の農業戦略が書かれています。
日本を取り巻く環境が目まぐるしく変化しています。特に、顕著なのは4つで、①食習慣の変化②技術革新③経済状況の変化④政策・規制の変化です。これらが劇的に変化しており、今の農業形態ではビジネスとして「成り立たないことを警鐘しています。この要因を踏まえ、日本の農業では、他業種参入の促進、環境保全型農業 -
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ー なお、農業の全体像を俯瞰し、日本農業の位置づけを理解するために、外部環境として①マクロエコノミクスの変化、②技術革新、③政策・規制の変化、④食習慣・ソーシャルファクターの影響の四つを配置し、それが影響を与える因子として⑤上流プレイヤーの変化、⑥消費者ニーズの変化、⑦代替品・代替手法の登場、⑧新規参入プレイヤーを導き出し、その結果としての日本農業の意味を考えていきます。
これは、我々マッキンゼーが事業の構成や方向性、将来像など、ビジネス分野での整理に使うForces at Work というフレームワークです。 ー
少し情報としては古いけど、食と農を考える上のでのフレームワークがしっかりし -
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ネタバレアグリビジネスについて。どういう作物がどこで消費されているのか、という貿易データから、農業へのテックの導入といった最近のトレンドまで、広く・浅く論じられる。あまり偏った内容ではないので全体を俯瞰するのにはよいかも
・今後想定される世界の人口増に伴う需要増に対応するには、従来のタンパク源の増産に取り組むだけでなく、植物を原料にした代替品や藻類タンパク質、昆虫食、微生物や培養技術を用いた合成物質など、新たな代替タンパク源の開発が不可欠です。そのなかでも有力なのが、植物由来、昆虫由来、合成物質による代替タンパク源です。
・二〇一〇年代後半に、世界的大手化学会社のダウとデュポン、バイエルとモンサン -
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ネタバレ農業について知識がなくても、わかりやすく説明されている。図表が多用されており、うまくまとめられているのでわかりやすくてよい。
従来の農業の根本から変える農業テクノロジー(アグテック)について書かれている点では、世界の農業の発展に驚いた。ドローンを用いて播種や作物の状態を確認したり、AIを活用して温度や日照、CO2コントロールをしたり、無人トラクターをGPSで運転したりと、農業のやり方が大きく変わってきている。また、遺伝子組み換えとは異なるゲノム編集という内容があり、狙った遺伝子を潰すことで特性の有無を決めることができるという技術も出てきている。 -
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日本と世界の農業市場について、ファクトをもとに考え得るシナリオ、リスク、および求められる対応が述べられている。一つ一つのトピックはいずれもどこかで聞いたことある話ではあり、理解に困難を要する部分はない。本書の魅力としては、グラフを多用しているため状況を定量的に理解することができる点、説得力のあるスライドの例を学べる点、各企業の最新の業界動向について具体的に記述されている点、業界を分析する際に有用なフレームワーク"Forces at Work"を農業という実例に応用された形で学べる点の4点である。
4点目のフレームワークについて補足する。これは、「2025年までに起こり得る -
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他国のさまざまな農業分野をしっかりと分析し解説している本。
なるほどと思うことやたしかにと共感できる部分が多かった。その一部を紹介すると
自動運転の課題
アメリカと日本の違い、コスト面
農業従事者はテクノロジーを使わなくても立派に農業を営んでこれた。
その為、ドローンなどの精密機器を導入するにはより高収益や省力化が確証されてないと導入には振り切れません。
これは本当にごもっともな意見。
農家の当たり前と企業の当たり前
労働時間の問題など
農業の当たり前と企業の当たり前ミックスすれば日本の農業は衰退していくのではなく発展していくと感じた。
農家は高齢化が進んでおり、IT関連に弱い人が多いか -
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農業をビジネスとして見て、需要傾向、技術動向、企業動向を主にグローバル視点で分析している本。
前半は現在までと近い未来での食と農業にまつわるグローバルデータの提示とその分析で、後半は日本農業の今後を提案している。
前半のグローバルデータでは食材の消費動向や、農作物のグローバル価格がどのように決まるかが詳細に分析されており、読み物として読むだけでも面白い。
ただ、このデータを見ると日本で主要穀物(小麦、大豆など)を育てるのは無謀に思えてくる。
しかし後半は少々、最先端動向のみにスポットライトが当たりすぎているように感じた。
特に日本長年の課題である食物自給率の低迷と就農者不足にもう少し踏 -
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ちょっと農業について勉強しておかないといけないことになって、
簡単にマクロ情報を得られそうな本をチョイス。
さすがナンバーワンのコンサルティング会社だけあって、
とてもよくまとまっています。
世界の食に関する課題をマクロな視点から勉強することで、
全体感を持った視点を獲得することができそうです。
この本が出たタイミングでは、まだロシアのウクライナ侵攻は始まっていなくて、
ウクライナ問題の影響によりこの本の主張もさらに変わりそうです。
意外に?ウクライナやロシアが小麦生産の重要なポジションを占めているようですが、
今後、日本も含めた西側諸国はロシアからの小麦を頼れなさそうですし。。
食につ -