渡邊英徳のレビュー一覧

  • AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争
    先日読んだ「モノクロの夏に帰る」─額賀澪著─
    に出てくる写真集のモデルが本書と知り、手に取った。

    著者の庭田さん(広島市出身)と東大教授の渡邉さんによる「記憶の解凍プロジェクト」の成果をまとめたものだそう。

    まず、AI技術でモノクロ写真を「自動色付け」する。
    次に、戦争体験者との対話・SNSで寄...続きを読む
  • AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争
    白黒写真に色が着くだけで歴史が地続きになるようだ。遠いどこかの世界の過去の出来事ではなく、リアルにあった出来事だと認識出来る。戦前は人々も笑顔に溢れ夜には光もあった。それが時が進むにつれガスマスクを被り、笑顔が無くなっていく。衣装は地味になり、戦争を意識させる言葉が溢れ、子どもたちが軍服を着る。空襲...続きを読む
  • AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争
    歴史の事柄として知ってはいた戦前、戦争の時代だったが、カラーの写真で見ることで、その時代、その人達にも生活があり、生きてきて、私達と繋がっているんだ。

    ということを強烈に感じた良書だった。

    言葉ではうまく表せないが、祖父母が小さい頃の時代を知れ、懐かしく、切なく悲しいが嬉しい気持ちになった。

  • AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争
    カラーになり、より実感を伴って読めた。モノクロだと、もう起こらない昔のこと、というふうに無意識に思っていたと思う。
  • AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争
    昔の白黒写真をカラー化するという、面白い試み。日独伊三国同盟のカラー写真はtwitterで見たことある人も多いのではないか。

    試み自体は面白いものの、正直カラー化になんの価値があるのかと思いながら読んだ。しかし、驚きではあるが白黒で見た(昔)の写真が、カラー化によって地続きの過去になっていくのが実...続きを読む
  • AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争
    白黒写真をカラー化すると、とても鮮やかに情報が伝わってくる。当たり前だが、被写体の彼らは歴史舞台の登場人物ではなく、日常を生きた人間なんだと強烈に感じることができた。以下は特に印象に残った点。

    戦前の穏やかな日常の写真のなかに、たくさんの人々の笑顔があったこと(昔の人は写真ではあまり笑わないと思っ...続きを読む
  • AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争
    百聞は一見に如かず、ましてカラーをや。。
    モノクロで記憶され続けている自身の昭和初期像を塗替え、歴史上のではなく、今を生きる自分たちの少し過去の延長戦上の日本人として活写されている点は非常に興味深い。特に庶民の日常の何気ない一瞬は、当たり前だけどカラー満載の世界で生きていたのだと改めて痛感させてくれ...続きを読む
  • AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争
    やはり色があると当時の情景や、人々の血色など、鮮明に拝見することができる、当時の事を我ごとのように感じさせられる。
  • AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争
    白黒写真に色を付けるという。たったそれだけなのにいろんな感情が沸き起こってくるのがわかります。
    モノクロでは、昔のこと、自分の世代とは異なる、という印象が無意識にあったのですが、カラー化により今の自分と連続している身近な印象を持ちました。また、色彩の鮮やかさで、当時の躍動感、豊かさが感じられた。みん...続きを読む
  • AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争
    AIが着色した写真を見せたときに、認知症の方が記憶を思い出し語ったということに心を動かされました。
    戦後生まれの自分には時間が止まったように感じる白黒写真。
    家族で出掛けたり、西瓜を食べたり。
    色鮮やかに蘇ったそこには、今と変わらぬ家族の団欒の姿があり、それが戦火の下で永久に喪われてしまった事実はと...続きを読む
  • AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争
    平和活動を積極的に行う若い著者が被爆者と接する中で、写真に特別な思いがあるのではないかと思い、白黒写真をカラーにするプロジェクトを立ち上げた。

    文字より写真、白黒よりカラーの方が、鮮烈だ。どうしても我々には、白黒写真は自分の事とは思えない。遥か昔のことのように感じてしまう。それは今目にしている風景...続きを読む
  • AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争
     広島出身の庭田杏珠さん(東京大学学生)と渡邉英徳同大学教授の共著で、映画「この世界の片隅で」の片渕須直さんやアーサービナードさんらプロジェクトに加わり、戦前・戦争と人びとの暮らしをAI(人口知能)でカラー化します。庭田さんは広島出身で、どのように戦争体験者の「思い・記憶」を未来へ伝えていくかを考え...続きを読む
  • AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争
    ヒロシマ以前の風景を復元する「記憶の解凍」プロジェクト。AIを活用し白黒写真をカラー化。息を吹き返した過去は現在につながる。

    白黒写真は過去のイメージ。それがカラー写真となることで一気に現実味を帯びる。本書に収録されるカラー写真の多くは戦前の広島の中島地区。4400人が暮らした町は爆心直近。町は全...続きを読む
  • AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争
    本書のレビューで多くの方々が書かれているとおり、白黒だと身近に感じにくいことが、カラーになると命が吹き込まれ生々しく伝わってくる。
    音・臭い・温度・触覚などが追加されたわけでもなく、単に色が付いただけなのにこの歴然とした違いは何だろうかと思う。

    美しく青い海と空や、緑の草木、黄色やピンクの花、これ...続きを読む
  • AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争
    写真がカラーになっただけでこんなにも過去が身近に見えてくるのか……。と衝撃を受けたし、視覚情報が訴えかける力の強さを感じた。
    是非一度見てみて欲しい。
  • AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争
    『よみがえった「記憶の色」』


    今と何が違うのかな?
    とか思っちゃいけないんだと、感じました。

    文字を読む小説が大好きで、読み手によって色々な情景が浮かんで楽しめる利点に心惹かれて、文字が多い書籍がどうしても日常は多くチョイスしていました。

    戦前戦中は白黒ばかりの映像しか見てこなかったからか、...続きを読む
  • AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争
    たまたまTwitterで流れてきた写真を見て、心を揺さぶられ、本が出版されたのを知り購入。

    カラー化されたことで一気に、【戦争の時代】が本当にあった現実の出来事なんだと認識させられた気がした。
    白黒写真だとどうしても、遠い遠い昔の、自分とは関係ない世界のことのようで。

    目を背けたくなるようなグロ...続きを読む
  • AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争

    「色」と記憶の関係

    庭田さんのあとがきにあるエピソードを読み、「色」と記憶の抜き差しならない関係性を感じさせられる。当人が思ってもいなかったような記憶が「色」によって呼び覚まされる。思い込んできたことや、記憶からこぼれていたものが。科学技術の発展によって75年前の記憶が蘇ると同時に、その時を経験していない我々へ訴えかけ...続きを読む
  • AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争
    白黒の写真がカラーになると途端に現実として感じられるのはどういう心の動きなのかうまく説明できない。でも確かにその変化が映し出された人々が自分と同じ感情を持った人なのだということがより直接的に心の中に届く。それは人だけでなく景色や日差しの空気感もそう。戦前の沖縄の晴れた空の空気がとてもきれいで印象深い...続きを読む
  • AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争
    白黒写真を現代の技術を使用し、関係者の記憶を活用しカラー化したという本。より一層リアルさが伝わり、写真の時代に入り込んで感じたり、考える事ができた。
    それにしても、都市という都市がくまなく徹底的に無差別に破壊された事は人命や文化の喪失他、全ての面で残念。
    読者には色んな文献や映画とセットで見てもらえ...続きを読む