ブライアン・サイクスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
SF「7人のイヴ」を読もうと思ってそのタイトルの元ネタとなっている科学ドキュメンタリーをまず読んでみる。自分の祖先をDNAの分析によって遡っていくのです。たどれるのは卵子でしか伝わらないミトコンドリアのDNA。東南アジアから始まりヨーロッパの人々の源流を探っていく過程がドラマチックに描かれます。
7人の娘たちが当時どのように暮らしていたか想像している章が架空すぎて残念。どこまでが事実に基づいてどこが想像を膨らませているか記載がないから面白さは半減。これは翻訳の段階で削られたのかもしれませんが科学ドキュメンタリーとしての価値と面白さを半減させるもので改めてほしいものです。
それにしてもヨーロ -
Posted by ブクログ
ミトコンドリアDNAの遺伝性質、つまり「世代から世代へとほとんど変わることなく受け継がれ」(p.237)、「そこに見られる変化は、分子時計がゆっくりと時を刻み続けるあいだ、徐々に、ひとつずつ確率されていく突然変異だけしかない」(同)という性質を利用し、現代ヨーロッパ人「六億五千万人の母系祖先は七人の女性につながっていた」(p.28)ことを示そうという試み。その試みを思いつく経緯や証明のための試練を乗り越える様子(「明確なゴールに向かって絶え間なく前進したわけではない。連続する小さな跳躍、というほうが正しいだろう。どの跳躍も、理性的な戦略だけでなく、偶然と個人的人間関係と経済的必要性、そして肉
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Posted by ブクログ
サイクスという同姓の人との偶然の出会いから、全く同じY遺伝子を持つことを知り、共通の先祖を探すところから、多くのサイクス氏への協力依頼と続き、いきなり面白さに曳きこまれる。そしてモンゴル帝国の元の版図に多く見られるY染色体にジンギスカンを同定するところは興味深い。前著の「イブの7人の娘」は人類誕生の過去に迫る興味があったのとは全く異なり、遺伝子学への興味が尽きない内容だった。生物の性別は必ずしも固定されているわけではなく、無性生殖も含めいろんな生殖があるとの紹介があるが、これが実はY染色体の絶滅の危機。男性が途絶える危機はすなわち人類の危機と思うところが、将来的には女性同士の卵子の結合から生命
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Posted by ブクログ
「イヴの七人の娘たち」がmtDNAに焦点を当てていたのに対し、本書では、性染色体、特にY染色体を巡る探究の旅が描かれる。
なぜオスとメス、男と女の二つの性別が必要なのか、イヴと同じように、Y染色体から祖先に辿り着くことができるのか、男と女で、家系によっては発生率に有意な差がある場合があるが、それはどうしてなのか、といった疑問に、一つ一つ回答を見出していく。
また、農耕の広まりから、所有が生まれ、不平等化、性の従属化が始まるという文明史につながる話となる。さらに精子の減退という現況からY染色体が衰退し、遂には男性の消滅、人類の消滅の未来があり得ることを予測していく。
この辺りになると、自分