東野治之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
聖徳太子
ほんとうの姿を求めて
著:東野 治之
出版社:岩波書店
岩波ジュニア新書 850
ジュニアだけに、分かりやすく、読みやすかったです。
でも聖徳太子とはやっぱりどんな人なのか、微妙にわからないというかしっくりこない人だなあ、との後味でした。
印象にのこったのは、聖徳太子に対する、光明皇后の厚い信仰、ご本人だけでなく、母や、周辺の皇族、貴族の女性たちに感化を与えたことである
聖徳太子伝説とは、中国の高僧、慧思の生まれ代わりであり、観音菩薩、とくに、救世観音の化身であるというものです。
勝鬘経や、法華経に通じていること、法華経の薬王菩薩本地品にある、女性は男性になることで分け隔てな -
Posted by ブクログ
東大国史出身の研究者が「不在」説を唱えるほど、21世紀の現在もとかく新説・異説・珍説の多い聖徳太子だが、本書は現在では最も伝統的・守旧的な立場からの聖徳太子小伝と言えよう。後世の偽作説の強い十七条憲法や、やはり後世の追刻説の強い法隆寺金堂釈迦三尊像光背銘を全面肯定、舶来説のある法華義疏も太子真筆説を採っている。さすがに「摂政」「皇太子」や蘇我馬子との共治説をそのままでは採らないが、馬子のアドバイザー・ブレーンという位置づけで事実上旧説を引き継いでいる。それだけに新鮮さは全くないが、いわゆる教科書的な通説がどのような研究史を経て形成されたか簡便に知る上では有用で、聖徳太子や太子信仰を学習する上