小川善照のレビュー一覧
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日本のニュースでも度々取り上げられた香港のデモ映像。座り込みや時には警官との激しい乱闘シーンも流れ、背景を理解しない人から見たら、中国の体制に組み込まれる事への反発なんだろうな、程度にしか考えていなかった。歴史で学んだように香港はアヘン戦争でのイギリスの勝利により同国植民地となった後、太平洋戦争では日本が統治下に置いた場所だ。戦後も中国には返還されず元通りイギリスが植民地としたものの、1898年の展拓香港界址専条によって99年間の租借が決まった。現在、その期限切れとなった1997年以降、「一国二制度」の下で香港には50年間の自治権が許されている状況だ。よって2047年には領土のみならず、制度を
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ネタバレどこまでも/逃げよ逃げのびよ/いつの日か/草、はびこり/砂、城を覆う//
にぎわいし/かの別天地/今は無し/愚かな風に/港の香ぞ散る//
『「獄」という字—両側は「犬」で 真ん中は「言葉」だ /中国の牢獄は人間ではなく言論を監禁するものなのだ』(陳 邁平、翰光著「亡命 遥かなり天安門」より)//
テレビ観る/つかのま隅に/煙ふかし/邦捨つるほどの/思想はありや//
香港人かく戦えり。では、翻って僕らはどうか?「亡命 遥かなり天安門」を読んだ後と同様、彼らの生き方は鋭くこちらの生き方を問うてくる。
国家安全維持法の導入により、彼らの戦いは敗北に終わったように見える。だが、リベラルスタデ -
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香港デモ、と聞いて思い描くのはテレビで見たとてつもないくらい大勢の人が集まっている光景。とTBSラジオ.荻上チキ Session-22で扱ってたな。程度の知識だったけど、たまたま書店でこの本の表紙を見たときに「あ、読みたい」と思った
特に時期的にアメリカでもBLMが叫ばれた頃だったのが引き金だったのかもしれないし、日本の政治もたくさんの不信感を感じさせていた時期だったかもしれない。
平和的な雨傘運動とそれをある種の反省とした勇武派の活動。それに対する政府というか警察、どちらもどんどん過激化していき同じ香港に住む人達が分断されさらに憎み合う負のスパイラルにも見えもするが、やはりその国に住む人達が -
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23年前の香港返還、返還式典の中継をテレビで視ていた。その時は香港のパワーで中国の民主化が、緩やかで共産党の独裁は揺るがないにしろ、進むのではないか、と仄かに期待もしていたが、今は中国のパワーが香港を飲み込もうとしている。
帝国主義の遺物が姿を消すのは本来喜ぶべき事なのだが、今の香港を見るとあのままイギリスの統治下にあった方が幸せだったのではないか、と暗澹たる気持ちになる。
日本を身近に感じてくれる多くの香港人がおこす香港の為のデモを、支えていきたい。
中国人の中で、このデモに無関心な(又はそもそも起きている事を知らない)人々に読んで欲しい。
ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店にて購入 -
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著者の小川善照(1969年~)は、東洋大学大学院修了のフリージャーナリスト。『我思うゆえに我あり 死刑囚・山地悠紀夫の二度の殺人』で小学館ノンフィクション大賞(優秀賞)を受賞している。
香港では、1997年の英国からの返還以降、返還時に中国が高度な自治を保障した「一国二制度」を守るために断続的に抗議行動が行われてきた。2014年には、2017年の香港行政長官選挙をめぐって、中国政府が民主派の立候補者を実質的に排除する選挙方法を決定したことに抗議する数万人の学生・市民が、79日間に亘って繁華街を占拠する「雨傘運動」が起こった。
更に、2019年には、3月に逃亡犯条例改正案に反対するデモとして始ま -
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若者が政治に関心を持たないのは、国政が上手くいっているからであって、問題とは思わない。こうしたニュアンスが我が国の党首討論で発言されたが、私も基本的には同感だ。民主主義を維持するために、若者が立ち上がる。しかし、実際には、若者は選挙にいかない。別に矛盾している訳ではない。いつでも政治を変えられるという前提の維持こそ重要だからだ。
中国共産党が、香港の選挙に口出しし、体裁は保ちながらも内実は共産党の指定候補者しか立候補不可能。この選挙制度に抗ったのが2014年の雨傘運動で、催涙弾やペッパースプレーの噴射を防ぐ傘がデモの象徴となった。年月流れ、本著はその後の逃亡犯条例を巡るデモを取り上げる。