野尻克己のレビュー一覧

  • 鈴木家の嘘

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    笑えるシーンが多く、決して暗い作品ではないが、過酷な運命を背負ってしまった人たちの苦しみが伝わってくる。木皿泉さんの『昨日のカレー、明日のパン』『さざなみの夜』が好きな私にはとても良かった。

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    2024年08月22日
  • 鈴木家の嘘

    Posted by ブクログ

    テレビドラマ『きのう何食べた?』の監督を務めた野尻克己さんの小説デビュー作。
    実の兄を自死で亡くした著者の実体験を元に描かれている。

    三年間、引き籠っていた鈴木家の長男・浩一がある日突然自室で自殺する。

    鈴木家の父・幸男、母・悠子、妹・富美、物語は3人の視点で交互に語られる。

    非常にショッキングなテーマでありながら、所々に「嘘」を交えユーモアさえ感じられる。
    残された遺族の「何故?」考えても答えなど出ない空しさ。
    家族の葛藤と自罰感情が伝わる。

    生きる事は簡単ではない。
    それでも死を選ばずに生きていて欲しいと心から願う。

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    2023年02月19日
  • 鈴木家の嘘

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    自死した息子と残された家族の苦悩と葛藤。
    小説初執筆。

    ひきこもりの浩一が首を吊り、その現場を発見し、ショックで記憶喪失になってしまった母・悠子。

    父・幸男と娘・富美は、浩一がひきこもりを脱し、アルゼンチンで働いていると嘘をついてしまう。

    息子に対し、向き合ってこなかった父、兄を好きでありながら、自分の理想の兄から離れていく兄に憤りを覚えていた富美、浩一を心の底から愛している悠子。

    母の記憶が戻る時、家族の心情が爆発する。

    残された者は生きなければならない、その苦悩と葛藤、創生を描く。


    脚本家らしい書き方というか、つながりが「んっ?」と思う部分あり、イマイチ乗らなかった部分も。

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    2020年10月21日