アンリ・ミュルジェールのレビュー一覧

  • ラ・ボエーム

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    プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』の原作。オペラとはだいぶストーリーは異にするけれど、オペラにも登場する人物たちによる貧困にあえぎながらも芸術や哲学、食に恋に生きる19世紀のボヘミアンたちの生活を楽しむことができる。登場人物たちが成功しブルジョワになったのちに登場するセリフに上流の味を知ってしまったというセリフがあるのだけれど、一度成功したらもはやあそこに戻ることはできないけれど、やはり可能性はそこにあるのだというノスタルジーでもある。同様に、ボヘミアンたちが時計や測ることを敵視しているのは資本主義的な論理とは測ることであるとしたら、そこから逃れるべきという本能的な防衛感覚なのだと思う。
    全面

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    2024年05月07日
  • ラ・ボエーム

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    ザ芸術家って感じの裕福ではないが自由奔放な暮らしがイイですね。解説があるので読む分には支障はないのですが、しれっと衒学的な言い回しが多くて教養のなさを痛感させられました(恋のペルトラン将軍とか)人間の不合理な感性を美しく描き出すという点においてフランスの作品に勝るものはないと思います。
    それにしても、"信じて裏切られるのと裏切られるのを恐れて何も信じないのは、どちらがマシだろうか"ってルドルフのセリフは結構わかるかも笑笑

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    2020年04月11日
  • ラ・ボエーム

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     rボエーム芸術家の自由放埓な生活と恋愛模様を描いた23話から成る連短編集。

     正直、ボエームのハチャメチャな生活振りにはあまり共感を覚えない。もっともそのような堅実を尊ぶのは彼らからブルジョワと軽蔑されるだろうが。
     芸術に身を捧げるということは金銭的な苦労を厭わないということなのかもしれないが、社会的に成功する者はほんの一握りであろう。本書では、主要登場人物のボエームたちは一応社会的にも評価される形で終わっているが、「十八 フランシーヌのマ、フ」に出てくる彫刻家ジャックのように、悲惨な最期を迎える者も多かったのではないだろうか。

     もっとも、いかに借金返済を先延ばししたり人に借金を頼む

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    2024年02月10日
  • ラ・ボエーム

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    軽快な文体で軽く読めた。オペラの予習のために読んだが、実際鑑賞したオペラでは原作のコミカルさが伝えられておらず、かといって別の楽しみ方ができる作品かというと…ミミとの悲恋も原作でのいい加減な恋模様を知っていると白けてしまう。

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    2023年07月17日