飯島渉のレビュー一覧

  • 感染症の歴史学

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    新型コロナウイルスのパンデミック、天然痘、ペスト、マラリアという感染症に人類がどのように対応してきたのかが書かれています。

    マラリアが日本でも流行していたとか、天然痘で種痘がジェンナーによって開発される前は人の天然痘でする人痘という予防手段が行われていたことなど初めて知ることが多く、面白く読めました。

    新型コロナウイルスの事象に限ったことではないですが、こうしたさまざまな社会事象をいかにして記録を残していくか、難しいけど大切なことだと思いました。

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    2024年03月08日
  • 感染症の中国史 公衆衛生と東アジア

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    どうせ隋唐の歴史とかから始まるのでしょ?と思ったら日清戦争の時、香港ではペストが蔓延していた、から始まる驚きのスタート。
    不平等条約撤廃による大きな成果は自国の責任で船の検疫ができるようになったこと、軍隊での疫病の蔓延、感染爆発という視点など、歴史に興味があるならば医学の歴史も見る努力をしないと、かなり片手落ちなのだなあと、2020年のコロナの世界を経験した一般人の歴史好きは思いました。

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    2020年07月06日
  • 感染症の中国史 公衆衛生と東アジア

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    タイトルから、古代中国の疫病の話から始めるのかと思ったが、清末以降に近代的な公衆衛生がどのように導入されたかという話。また、中国が近代日本の衛生行政をモデルにしたことや日本統治下の台湾での感染症対策など中国だけというよりは日本に関わる話題に多くのページを割いている。
    自由放任的な行政から衛生事業による民間への積極的な介入、開発に伴うマラリアを始めとする感染症の広がりなど近代化と疫病は密接な関係を有することが分かった。

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    2022年03月04日
  • 感染症の中国史 公衆衛生と東アジア

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    本書は、ペストやマラリア、日本住血吸虫の感染拡大から収束までの、経過を追いながら考察を加え、新たな感染症へ備えとしての示唆をして結んでいる。

    2009年に出版されたものなので、もう10年以上経っているが、新型コロナウィルスの最中に読んだことでとても捗った。
    未知のウィルスに対する恐怖と未知ゆえの差別や情報の混乱。ハンセン病の歴史も彷彿とさせた。歴史は繰り返す。

    感染症曝露時の緊急対策は国民の権利を制限するので、植民地化に利用しやすく正当にも使われるということはわかるが、結果としては国民が納得していなければ十分に機能せず感染症の拡大は完全には抑えられなかったことがうかがえた。

    最終的に必要

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    2020年09月15日
  • 感染症の中国史 公衆衛生と東アジア

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    2009年に出た本なのでコロナのことは書いてない。
    ペスト、コレラ、マラリアと人類は常に感染症と戦ってきた。今回のコロナも乗り越えられる!

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    2020年08月23日
  • 感染症の中国史 公衆衛生と東アジア

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    ペスト、コレラ、そして日本住吸血虫病。
    近代中国を襲った感染症の中から、この三つを中心に、医学と政治がどう対処したのかを跡付ける。
    医学系ではなく、歴史研究者による著書。

    日本の近代社会だと、コレラ、赤痢、肺結核、となるところだろうか?
    ペストは中国南方由来の病と、本書で初めて知った。
    なんとなくヨーロッパ中世、というイメージがあった。

    医学研究(熱帯医学、植民地医学という分野の成立)と、政治権力と結びついた衛生施策が詳述されていた。
    清朝末期から、共産党が政権を握って以降も、中国と日本の医学者たちの交流があったことに驚く。
    それが植民地支配の問題や、内戦の混乱で、これまであまり見えてこな

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    2020年08月12日
  • 感染症の中国史 公衆衛生と東アジア

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    切り口に脱帽。近代中国史を感染症撲滅の視点で見ていく。近代中国史、感染症撲滅というテーマは、どちらも読み物として面白い題材なんだけど、そこに関わった日本人も含めて、生々しい「時代の空気」みたいなものが伝わってきます。

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    2011年05月08日
  • 感染症の中国史 公衆衛生と東アジア

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    東アジア、特に中国を中心とした感染病の流行と克服に向けた取り組みについての解説。西欧列強の中国進出、あるいは日本の台湾・朝鮮植民地化や中国進出などの時代を背景として記述された本であるため、どちらかというと「中国における列強の感染症対策」というような内容になっている。面白いのだが、中国が主体的に取り組んだ内容への言及はそれほど多くはなく、若干のタイトル詐欺感も無くはない。

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    2024年03月10日
  • 感染症の中国史 公衆衛生と東アジア

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    コロナ以降、あれこれ感染症に関する歴史本を読みましたが、どれもこれも、「歴史は繰り返す」という言葉を想起します。

    今回も同じかな。
    結局、人間だけヒトだけ特別な存在ではないのです。地球の一部、自然の一部であることを認識している人はどれだけあるのか。生きていることに感謝する気持ち、環境負荷を減らし、次世代に何が残せるかを考える謙虚さを取り戻すための「今」だと思いたい。

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    2021年02月08日
  • 感染症の中国史 公衆衛生と東アジア

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    こと感染症のパンデミックに対しては、個人がそれぞれの思惑で行動する自由主義体制は相性が悪く、個人の権利を抑制する中央集権的な体制の方が対策を打ち出しやすいことが、今般のコロナ禍で明らかになった。その代表的な国家である中国が、元々は感染症に対し、民間の慈善事業任せの「小さな政府」を標榜していた事実は興味深い。そして、その方向転換に一役買ったものの一つ が、日本の植民地政策であったことは多くの日本人が記憶しておくべきことだと思う。
    かつてのコレラ禍は不衛生な環境を見直す契機となり、公衆衛生の母とも言われる。今回のコロナ禍からも、せめて医療の進展を促すものが生まれることを期待したい。

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    2020年08月29日
  • 感染症の中国史 公衆衛生と東アジア

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    新型コロナ拡大をきっかけに感染症に関する書籍を手に取るようになりました。中国史にスポットを当て、当時の国家間の政治的観点からも感染症の歴史を学ぶことが出来、とても興味深い一冊だと思います。

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    2020年05月05日
  • 感染症の中国史 公衆衛生と東アジア

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    一九世紀末、列強に領土を蚕食されるなか、中国では劣悪な栄養・衛生状態、海外との交流拡大によって、感染症が猛威を振るう。
    雲南の地方病であったペストは、香港や満洲に拡大し、世界中に広がることになる。
    中国は公衆衛生の確立を迫られ、モデルを帝国日本に求める。
    本書は、ペスト、コレラ、マラリアなどの感染症被害の実態、その対応に追われる「東亜病夫」と称された中国の苦悩とその克服に挑む姿を描く。

    [ 目次 ]
    第1章 ペストの衝撃(ペストのグローバル化―雲南・香港から世界へ;感染症の政治化―列強の思惑と国際ペスト会議)
    第2章 近代中国と帝国日本モデル(公衆衛生の日本モデル―植民地台湾と

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    2011年04月06日